2018/04/22
米カリフォルニア州インディオにて毎年開催されている世界的野外音楽フェスティバル【コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル】。
昨年に続きBillboard JAPANの特派員が、2018年4月13日~15日にかけて行われたウィークエンド1に参加。ここでは、最終日のヘッドライナーを務め、ドクター・ドレー、50セントら豪華ゲストも参加した、エミネムのライブ・レポートをお届けする。
映画『キングコング』のパロディーのように巨大化したエミネムが街に現れ、足に引っかかった車を破壊してしまったがために、集中攻撃を受けるというシナリオのムービーでライブは始まった。
前半の見せ場は星条旗をバックに「White America」のパフォーマンス。16年前にリリースされたアルバム『The Eminem Show』からの1曲だが、今のアメリカの混乱した状況を表している。最新アルバム『Revival』でビヨンセと共演している「Walk On Water」ではスカイラー・グレイがゲスト出演。彼女の透き通ったヴォーカルは心地よく、続く「Stan」と「 Love the Way You Lie 」でもスカイラーが共演。「Stan」をライブで聞くことができるのは感慨深く、「Love the Way You Lie」では共演者のリアーナではなく共同制作者のスカイラーを起用したのが興味深い。
続いて、50セントがゲストで登場し「Patiently Waiting」を共演し、この辺りからライブも熱を帯びてきて、「In Da Club」ではオーディエンスはパーティー状態。50セントと共演した4曲で見事にオーディエンスを盛り上げ、続いてエド・シーランと共演した「River」をゲストなしでパフォーマンス。リアーナとの共演曲 「The Monster」 は曲を提供したビービー・レクサがゲスト・シンガーとして登場というサプライズ。
エミネムの素に近い、意外な側面を垣間見たのが、コメディアンでTVトークショー司会者のジミー・キンメルが紹介する意地悪なツイートのコーナーのエミネム版。「2003年以降誰もお前のこと気にしていない」というツイートに対して、「まずスペル間違ってるよね。いや、でも怒ってないよ。的を得てるし」という自虐ネタは意外だったが、年を重ねて丸くなったのか人間味を感じる。
「じゃあ、俺の時代だった頃に戻ろうか」とオーディエンスを煽って「My Name Is」、「The Real Slim Shady」を続けて披露。そして、ドクター・ドレが登場し4曲共演。その4曲の中でも「この場所に来たからには、この曲をせずには終われない」と説明して2パックの「California Love」のカバーはこの日のハイライトの一つと言える。続いて「Not Afraid」の後、エミネムがステージからいなくなってもステージがまだ赤く照らされているのでアンコールするのかという期待に応えて、「Lose Yourself」で90分のパフォーマンスは終了。
50セントとドクター・ドレの客演、2パックの「California Love」のカバーという90年代中盤からのドクター・ドレを中心として西海岸のヒップホップを辿る構成は良く考えられた流れで興味深かった。ただ、少し地味だったように思うのは、前日にとんでもない歴史的なパフォーマンスをしたビヨンセのポップス性、初日の聞きやすく間口が広いザ・ウィークエンドのR&Bと比較してラップが万人受けするジャンルではないのかもしれない。少し辛口かもしれないが、期待以下でもなく、期待以上でもないパフォーマンスだった。
Photo: Getty for Coachella
◎公演情報
【コーチェラ・バレー・ミュージック&アートフェスティバル】
米カリフォルニア州インディオ
エンパイア・ポロ・フィールド
ウィークエンド1:2018年4月13日~15日
ウィークエンド2:2018年4月20日~22日
INFO: http://www.coachella.com
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