2018/04/13
ファレル・ウィリアムスとロビン・シックの「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ」が、故マーヴィン・ゲイの「黒い夜 / Got to Give It Up」の著作権を侵害していると陪審員が出した判決を2018年3月に裁判所が支持したことを受け、再審理請求が連邦第九巡回区控訴裁に提出された。
今回の判決が過去の裁決と矛盾していることや、非常に重要な問題を提起しているとして、弁護団は2018年4月11日、裁判官全員出席の上での再審理請求を提出した。弁護士のキャスリーン・サリバンは、作品が“thin copyright protection” (希薄な著作権保護)または“broad copyright protection” (広範な著作権保護)を得る資格があるのかを判断する上で、裁判所が保護対象となる要素を保護できないものから取り除かなければならないとする判例と矛盾していたと指摘している。“Thin protection” (希薄な保護)の場合、著作権侵害が認められるためには“virtually identical” (ほぼ同一) でなければならず、“broad protection” (広範な保護)の場合は“substantially similar” (かなりよく似ている) ことが求められる。
サリバンは、著作権侵害の判決に至るほどの客観的な類似性があるかどうかの審査が十分に行われなかったと主張し、存在する音符に限界があることや音楽のジャンルは共通する特徴で定義されることから、作曲家に”音楽のスタイルの著作権を認める”ことは危険だと論じている。
「作曲家は長い間、著作権に関する法的責任を恐れることなく過去曲からインスピレーションを得たり、時には個別の要素を模倣する自由があった。陪審員の判決は、”法律のもとで作者が受ける権利がある保護と、(著作権)侵害から保護されているエリア外で他の作者が創作活動を行う自由の間のデリケートなバランス”を崩す恐れがある」と彼女は述べ、「創造的表現の自由が陪審員の気まぐれと雇われた音楽学の専門家に翻弄されていいのかという制度的な課題も同様に重要だ。裁判所による客観的な比較もないまま、自曲の要素が告発された曲に”かなりよく似ている”と述べてくれる専門家を著作権所有者が差し出すだけで陪審員を動かすことができるなら、どんな楽曲も著作権に関する法的責任から逃れることができなくなる」と訴えている。
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