2018/02/14
2018年2月8日、カルヴィン・ハリスがパーティーネクストドアをフィーチャーした「Nuh Ready Nuh Ready」をリリースした。2017年にリリースした『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』で掘り下げたファンク・グルーヴから早くも脱却すると宣言した彼の今年初のリリースは90年代クールたっぷりのダーク・ハウス・サウンドだ。
Beats 1のゼイン・ロウとの電話インタビューに応じたハリスは、新たな方向性に至るまでの葛藤や、フェス出演を減らした理由などについて語った。
彼は自身の新しいサウンドについて、クリエイティビティを再発見する過程で生まれたものだと説明している。2016年9月に「マイ・ウェイ」をリリースした頃に最悪の状態に陥ったそうで、「あの曲に関しては、11年ぶりにあまり面白みを感じなかった。“よし、何かがおかしいぞ”って思った。そこでようやく自分が一緒に仕事をしてみたかった人たち全員とファンク・アルバムを作るというアイデアを思いついた」と『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』が誕生した経緯について語っている。
同アルバムは彼に実験と研究の機会を与え、ダンス・ミュージック以外のアーティストたちと仕事をするチャンスを与えた。「(例えば)ヤング・サグをEDM曲に起用したくなかった。侮辱的だからね」と彼は言う。「よく聞かれてたんだよ、“誰と一緒に仕事をしてみたいか”って。で、俺は“アンドレ・3000”と(答えた)。“OK。彼に連絡はしてみたの?”って言われても、“できるかよ”って思ってた。だって彼をダンス・ミュージックに参加させられるか?彼が積み上げてきたものに失礼だ。そんなことをしたら自分に腹を立ててただろう」と彼は説明している。
『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』に関しては商業リスクも背負ったと彼は話している。ラスベガスでのコンサートのギャラを受け取ると、真っ先にゲスト・ボーカルにつぎ込んだそうだ。その頃に出会ったパーティーネクストドアとはまた近いうちにコラボしたいと思っていたと彼は話している。「何年も前から彼のことは天才だと思っていた。一緒に仕事をしてみてもそれ以上のことはあまり分からなかったな。彼のペンと声と表現の仕方が世界でもトップクラスだってことしか。自分の前作で彼と仕事をしたけれど、彼を十分に活用できなかったことは自分でも分かっていた。彼を活用しきれなかったことを恥じたし、気が引けた。トラックでフックを歌ってもらっただけだったから、“もっとできるならやらなきゃダメだろう”って自分に言い聞かせて今回実現させたんだ」と彼は語っている。
また、ラスベガスのHakkasanと専属契約を交わしたことについて彼は、フェスティバルでパフォーマンスすることに嫌気が差したのだと話している。当初はアヴィーチーのようにツアーから引退することも検討したが、いずれ気が変わった時にうやむやにしたくなかった為に考え直した。「ああいうの全てに人間味を感じられなくなったんだ。花火とか色々派手だけど、誰とも繋がりがない。今ベガスでパフォーマンスするのがすごく楽しいのは、人々の顔が見えて、みんなが自分の時間を楽しんでいるのを見ることができるからなんだ」と彼は明かしている。
インタビューでは他にもバンドでボーカルを務めていた頃の話や、ポーター・ロビンソンの新プロジェクト、ヴァーチャル・セルフのおかげでEDMへの情熱を取り戻したことを語っている。特に「Ghost Voices」がお気に入りだそうだ。「ファンクを手がけていた時、ダンス・ミュージックから1年離れてた。もう好きじゃないって思っていたけど、あの曲が俺を引き上げてくれた」とハリスは話している。
◎インタビュー音源
https://itunes.apple.com/us/post/sa.785bc720-0cfd-11e8-a4cb-64d1ccb4754c
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像