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2018/02/14

待望のニューAL発売間近? スロウ・テンポで重いトラップ・ナンバー / 「T’d Up」レイ・シュリマー(Song Review)

 ポール・マッカートニーが、ツイッターで“マネキン・チャレンジ”動画を投稿したことで火が付き、米ビルボード・ソング・チャート、R&B/ラップ・チャートの3冠を制した、レイ・シュリマーの「ブラック・ビートルズ」。この曲を皮切りに、「スワング」(R&B13位/ラップ9位)が続けてヒットし、両曲が収録された2ndアルバム『SremmLife 2』(2016年)も全米最高4位、ミリオンセラーを記録した。

 その『SremmLife 2』に続く、通算3作目のスタジオ・アルバム『SR3MM』を間もなくリリースすると告知し、新作からの先行シングル「T’d Up」を2018年2月5日に発表。同曲は、メンバーのスワエ・リーとスリム・ジミー、そしてドレイクやフューチャーなど、現在のラップ・シーンを代表するアーティストを多数手がける売れっ子=メトロ・ブーミンが、制作・プロデュースを担当している。

 楽曲はあいも変わらずといった感じで、前2曲や昨年秋にリリースした「パープレクシング・ペガサス」を継承したような、スロウ・テンポで重いトラップ。正直、革新的な要素はなく、タイトルが示すテンションが高まった状態や、最高潮というニュアンスも伝わり難いが、レイ・シュリマー“らしさ”は感じられる1曲。昨年は、スワエ・リーがフィーチャリング・ゲストとして参加した、フレンチ・モンタナの「アンフォゲッタブル」が全米3位、R&B/ラップ・チャート1位を記録する大ヒットとなったが、ダンスホールを取り入れたこの曲のように、もう少し冒険しても良かったのでは?というのが、個人的な感想。もちろん、駄作ではないのだが……。

 そのスワエ・リーは、昨年夏頃にソロ・アルバムを発表すると公言していたが、どうやら新作『SR3MM』に彼のデビュー作『Swaecation』と、スリム・ジミーのソロ・アルバム『Jxmtroduction』の2作も収録される模様。つまり、『SR3MM』はトリプル・ディスク(3枚組)としてリリースされる。アウトキャストの大ヒット作『Speakerboxxx/The Love Below』(2003年)のように、それぞれの個性を詰め込んだ、レイ・シュリマーとは違うタイプの内容になれば、聴きごたえがあるだろう。ちなみに、前シングル「パープレクシング・ペガサス」は収録が見送られる。

 「T’d Up」は、現在までにオーディオ・ビデオのみ公開されていて、ミュージック・ビデオは制作されていない。「ブラック・ビートルズ」のように、ビデオやSNSなどを利用して、ヒットに繋がればいいが……「スワング」以降ヒットに恵まれていないだけに、グループがこのまま“一発屋”で終わらないことを祈る。


Text:本家一成

◎リリース情報
「T’d Up」
レイ・シュリマー
2018/2/5 RELEASE

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