2018/02/05
故デヴィッド・ボウイは何十年も前から自分の死期を知っていたと、長年彼のバンドでキーボーディストを務めていたマイク・ガーソンが明かしている。
2015年に出版されたガーソンの伝記『Bowie's Piano Man: The Life of Mike Garson』に、以前は公表できなかった内容が加筆された改訂版が5月に再発される。その一つが1970年代後期にボウイが出会ったある霊媒師が、彼が2016年1月に死亡することを正確に予言していたというものだ。彼は、「(その霊媒師は)彼が亡くなったちょうどあの時に彼が死ぬだろうと本人に伝えていた。いかれてたり嘘ばかりつく霊媒師は多いけれど、この人は本物だった。デヴィッドもそれが分かっていて、1秒たりとも疑ってなかった。(予言のことを)僕にはっきり話してくれたし、それを受け入れ、それに基づいて自分の将来設計を立てていた。彼は自分の人生設計を3、40年かけて練っていたんだ」と米ビルボードに話している。
伝記の改訂版には、「(旧作には)登場していないたくさんの新たな人々」に著者のクリフォード・スラッパーが取材した内容が100ページほどが追加される。2015年の秋、ガーソンはボウイのアルバムで自身がプレイした全ての楽曲に関する解説をまとめた後に、結果的に最後となった会話をボウイと交わした。「結構感慨深いものがあって、すぐデヴィッドに“信じられないよ”と(メールを)書いた。すると10秒も経たないうちに彼から電話があって、“マイク、僕たちは一緒に素晴らしい作品群を作り上げたよ”と言われた。その彼の言い方が……僕は電話を切った後、妻に“もう二度と彼には会えないし、一緒にプレイすることもないだろう”って言ったんだ。非常に不思議な気持ちだった。彼がガンを患っていることは知らなかった。まるで、“(一緒に)仕事してくれてありがとう、そしてさよなら”という感じだったんだ」と彼は回想している。
1973年から2003年にかけてボウイのアルバムでプレイしたガーソンは、自身が率いるオールスターの【セレブレイティング・デヴィッド・ボウイ・ツアー】の北米日程へ向けて現在準備をしている。2月10日に始まる今回の日程ではボウイと仕事をしていたギタリストのアール・スリックとジェリー・レナード、同じくベーシストのカーマイン・ロハス、ザ・ローリング・ストーンズのバックアップ・シンガーのバーナード・ファウラー、スティングの息子ジョー・サムナーとボーカリストのガビー・モレノが参加する。
ガーソンはボウイのトリビュート・コンサートについて、「集団的治癒だと思う。色々な感情がそこにある。僕だけの悲しみじゃない。みんなで彼を亡くした感覚だし、もしかすると考えていた以上に早かったんじゃないか。人々はもっと彼(の音楽)が欲しかったんだ。だからこれらの楽曲を聴きたがるし、2時間でも全ての歌詞を歌えるんだよ」と分析しており、出演するミュージシャンたちのボウイとの接点からもこのツアーが最も確かなトリビュート・ライブだと断言している。
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