Billboard JAPAN


NEWS

2017/11/28

初TOP10入りなるか!? 歪んだ低い電子音が鳴り響く、ダーク・エレクトロ・ナンバー / 「バッド・アット・ラブ」ホールジー(Song Review)

 米ニュージャージー州出身の女性シンガーソングライター、ホールジーの最新シングル「バッド・アット・ラブ」が、2018年度初週(12月2日付)の米ビルボード・ソング・チャートで17位にランクアップし、最高位を更新した。

 2016年は、フィーチャリング・ゲストとして参加したザ・チェインスモーカーズの「クローサー」が全米12週1位の大ヒットとなり、ホールジーにとってもブレイク年となった。2017年4月にリリースした「ナウ・オア・ネヴァー」は、自身のシングルとして最高位となる17位をマーク。同曲のヒットを受けて、6月に発売された2ndアルバム『ホープレス・ファウンテイン・キングダム』が初の全米アルバム・チャートで初登場1位に輝き、カナダ(1位)やオーストラリア(2位)などでもTOP3入りしている。

 その『ホープレス・ファウンテイン・キングダム』からの2ndシングルとして8月に発売されたのが、新曲「バッド・アット・ラブ」。制作陣には、ジャスティン・ビーバーやセレーナ・ゴメスなどのヒット曲を手掛け、今年も大活躍した売れっ子のジャスティン・トランターと、ケンドリック・ラマーやトラヴィス・スコットなどの人気ラッパーを担当したL.A.出身のトラックメイカー=ロジェ・シャハイエド、そして昨年大ヒットしたメーガン・トレイナーの『サンキュー』や、ケシャの復帰作『レインボー』などに楽曲提供したリッキー・リードがクレジットされている。プロデュースは、そのリッキー・リードとロジェ・シャハイエドの2人が担当。

 歪んだ低い電子音が鳴り響く、ダーク・エレクトロ的要素を含むホールジーらしいナンバーで、彼女のソングライターとしての力量がベストに近い状態で表現されている。また、ラップのように早口で展開するパートや、張り上げるよう声高らかに歌うサビなど、豊かな技術・声量を発揮したボーカルも文句ナシのすばらしさ。同じ過ちを繰り返してしまう“恋愛下手”の女の子が主人公で、「ニュージャージー」や「曲を作ろう」などのワードが登場することから、おそらく実体験も含まれているのではないかと思われる。

 発売1週間後に公開されたミュージック・ビデオでは、ブロンドのベリーショートにロングブーツ&革ジャンというワイルドな装いと、華やかなバンダナとワンピースを纏ったキュートなホールジーの2面が楽しめる。設定は、指名手配犯として追われている彼女が単車にまたがって登場し、3人のガールフレンドと合流した後、コンバーチブルで砂漠地帯を駆け抜け、逃走するという内容。公式チャンネルでは、現在までに4000万視聴を記録している。

 デビュー作『バッドランズ』も質の高い楽曲が目白押しだったが、新作『ホープレス・ファウンテイン・キングダム』は、さらにクオリティの高い、ホールジーの魅力が最大限に引き出された傑作だった。その中でも、「バッド・アット・ラブ」は目玉曲といえるだろう。全米では、「ナウ・オア・ネヴァー」の最高位となる17位に並んだ「バッド・アット・ラブ」。このまま勢いを落とさなければ、自己名義のシングルとしては初のTOP10入りが期待できるかもしれない。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『ホープレス・ファウンテイン・キングダム』
ホールジー
2017/6/2 RELEASE

ホールジー その他の画像・最新情報へ

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <インタビュー>YUTA(NCT) ミニアルバム『Depth』に込めたソロアーティストとしての挑戦――「たくさんの経験があったから今がある」

  2. 2

    和楽器バンド、活休前最後のツアーが開幕 10年分の感謝をこめた渾身のステージ

  3. 3

    JO1、ワールドツアー開催を発表「ここから世界に羽ばたいていきます」

  4. 4

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

  5. 5

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

HOT IMAGES

注目の画像