2017/10/30
2017年10月27日、リンキン・パーク(LP)が【Linkin Park & Friends Celebrate Life in Honor of Chester Bennington】と題されたイベントを米ロサンゼルスのハリウッド・ボウルで開催し、7月に亡くなったフロントマンの故チェスター・ベニントンを追悼した。
イベントにはブリンク182、ノー・ダウトのメンバー、スティーヴ・アオキ、アラニス・モリセット、ギャヴィン・ロスデイル、ビービー・レクサ、ONE OK ROCKのTakaなど、ジャンルを超えた何十組ものアーティストたちが結集した。
本編の中盤、マイク・シノダが、チェスターの死後に書き始めたという「Looking For an Answer」(答えを探してる)と題されたピアノ・バラードを披露した。彼の訃報を聞いた時、他のメンバーは写真撮影中だったそうで、シノダは、「その8日後くらいに書いたんだ。それをみんなとシェアしたい」と、まだ未完であるという曲を紹介した。「これからどうなるか分からないけれど、これを基に積み重ねて行きたいんだ」と曲作りの過程が垣間見える作品だと説明した。曲の進行状況はバンドのSNSで確認できる。
シノダによる3分半ほどのピアノの弾き語りは、ところどころ声を詰まらせたり弾き間違えるなど決して完璧ではなかったが、友を亡くし残された者が自分にできることはなかったかと問いかける内容の曲が、その不完全さによって際立つ形となった。
12年近くチェスターと連れ添ったタリンダ・ベニントンは夫の死後、彼の生前の家族写真や動画を公開しながら積極的に自殺予防やうつ病に関する意識啓発を行っている。そんな彼女もステージに立ち、「チェスターと私は人々を結びつけるのが大好きでした。彼は自宅が家族、友人、子どもたち、犬、猫、鳥、カメ……多い方が楽しいから……でいっぱいになると喜びで満たされていました。この夜のこともきっと大好きだったと思います」と気丈に語り、「(2004年にLPが立ち上げた被災地支援団体)Music For Reliefのことを彼は非常に誇りに思っていました。それが命を救っていることを知っていたからです。だからチェスターを追悼し、全く同じように私たちも命を救おうと考えています。心の健康は身体の健康と同じくらい大事だということを認識しなければなりません」と観客に語りかけた。彼女は近日中に、チェスターの誕生日から“320”と名付けられた心のケアをサポートするイニシアチブを発足させる。
LPの今後についてシノダは、「自分たちがどこへ向かうのかは分からない」とこれまで通り明言は避けたが、バンドのSNSで随時最新情報を発信するとファンに約束した。残されたバンドメンバーと様々なアーティストたちが共演したこの夜からは、過去の7枚のスタジオ・アルバムからも分かるようにLPが順応性のあるバンドであることを再確認することができたのではないだろうか。
参加したアーティストたちのLPのカヴァーも見所だったこのイベントだが、一番の盛り上がりを見せたのは集まった17,500人の観客だけで曲の一部を大合唱した「ナム」だったかもしれない。プロアマ問わず、音楽には癒しの力があることを証明する3時間の祭典だった。
◎【Linkin Park & Friends Celebrate Life in Honor of Chester Bennington】セットリスト
「Robot Boy」イントロ
「Iridescent / The Messenger」 マッシュアップ / ジョン・グリーン (「Nobody Can Save Me」と「Battle Symphony」共作者)
「Roads Untraveled」ジョン・グリーン
「Numb」
「Shadow of the Day」ライアン・キー(イエローカード)
「Leave Out All the Rest」ギャヴィン・ロスデイル(ブッシュ)
「Somewhere I Belong」Taka(ONE OK ROCK)
「Castle of Glass」エイドリアン・ヤング、トム・ドゥモント、トニー・カナル(ノー・ダウト) withアラニス・モリセット
「Rest」アラニス・モリセット
「Nobody Can Save Me」スティーヴン・マッケラー(シヴィル・トワイライト)&ジョン・グリーン
「Battle Symphony」ジョン・グリーン
「Sharp Edges」Ilsey Juber(「Talking to Myself」と「Sharp Edges」共作者)
「Talking to Myself」Ilsey Juber
「Heavy」キアーラ&ジュリア・マイケルズ
「One More Light」
「Looking For An Answer」マイク・シノダ
「Waiting For The End」シドニー・シエロタ(エコスミス)
「Crawling」オリヴァー・サイクス(ブリング・ミー・ホライズン)&ゼッド
「Papercut」マシン・ガン・ケリー
「One Step Closer」ジョナサン・デイヴィス(コーン) 、ライアン・シャック&アミール・デラク(ジュリアン・K)
「A Place For My Head」ジェレミー・マッキノン(ア・デイ・トゥ・リメンバー)
「Rebellion」ダロン・マラキアン&シャヴォ・オダジアン(システム・オブ・ア・ダウン)
「The Catalyst」デリック・ウィブリー(サム41)
「I Miss You」ブリンク182
「What I've Done」ブリンク182withマイク・シノダ&ジョー・ハーン
「In the End」
「New Divide」
「A Light That Never Comes」スティーヴ・アオキ&フランク・ズーモ(サム41)
「Burn It Down」 M.シャドウズ(アヴェンジド・セヴンフォールド)
「Faint」M.シャドウズ(アヴェンジド・セヴンフォールド)
「Bleed It Out」全員
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