2017/10/24
タイラー・ザ・クリエイターがキャリア史上最高の全米ビルボード・チャート初登場2位を獲得した最新アルバム『フラワー・ボーイ』を引っ提げ、約2年ぶりとなる単独来日公演を10月20日に恵比寿リキッドルームにて開催した。
今年夏、4枚目となるソロアルバム『Flower Boy』をリリースしたばかりのTyler, the Creatorによる、約2年ぶりのソロ公演。今回の来日中、たった一晩だけのプレミアムなライブということで、会場となった恵比寿LIQIUDROOMには二十代を中心した熱狂的なファンが集まり、開演前から異様な熱気に包まれていた。そして、TylerのバックDJでもあるDJ Tacoによる、LAのストリートスタイルな前座のDJプレイによって、さらにフロアの熱気はさらに高まっていく。
予定時間を少し過ぎた頃、サイドMCであるJasper Dophinを伴って、Tylerが遂にステージに登場。アルバム『Flower Boy』のジャケットを再現したかのような巨大なヒマワリをバックに、Tylerは自らの武器であるその“声”の最大限に使って、巧みにオーディエンスをコントロールする。前作『Cherry Bomb』や前々作『Wolf』からのヒット曲も挟みながら、やはり軸となっていたのは最新作『Flower Boy』で、「Boredom」、「911」、さらにTylerのクルーがアグレッシブなダイブをかました「Who Dat Boy」など、緩急付けながらステージは展開していく。しかし、驚いたのは集まった観客の盛り上がりの凄さだ。比較的、外国人客が多かったとはいえ、ヒップホップのライブであれだけオーディエンスが歌詞を唄っているライブを観たのは、少なくとも日本では初めての経験だ。ラストは「See You Again」で締めくくり、1時間弱のステージは終わった。しかし、それが決して短かったとは思えないくらい、会場を訪れた誰もが十分すぎるほどの満足感を得られたであろう、まさにプレミアムな夜となった。Text:大前 至
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