2017/10/13
2016年3月にリリースした3rdソロ・アルバム『ディス・イズ・ホワット・ザ・トゥルース・フィールズ・ライク』が、自身初の全米アルバム・チャートで首位を獲得した、グウェン・ステファニー。本作に続く4作目のスタジオ・アルバムは、往年のスター歌手たちが必ず発表してきた“クリスマス・アルバム”として制作され、2017年10月6日に世界同時発売されている。
洋紅色の赤をバックに、トレードマークのレッド・リップスティックとブロンド・ヘア、ヤドリギの飾りが目を引く、50~60年代のLP盤をイメージしたような、オールディーズ調のジャケット・アートも、ホリデー感満載だ。ダウンロードが主流となり、CDが売れなくなった昨今では、こういったフォトジェニックなLPジャケットを購入し、インテリアとして飾る人も増えているという。アメリカでは、10月20日に本作のLP盤もリリースされる。
もちろん、完成度が高いのはアートだけではない。収録された全12曲、捨て曲一切ナシの傑作だと太鼓判を押せる作品に仕上がっている。
まず、スタンダード曲のカバーだが、70年代風のファンキーな「ジングル・ベル」、ムーディー且つブルージーな仕上がりの「きよしこの夜」、グウェンのキャラクターに最もハマった「サンタ・ベイビー」、60年代のモータウンを彷彿させる、ソウルとポップが融合した「ホワイト・クリスマス」など、独特のアレンジとグウェンの個性的な歌い回しで、オリジナル感を出しているのがイイ。ヴォーン・モンローのカバー「レット・イット・スノー」では、アットホームな温かみのある雰囲気が楽しめたり、日本でも定番となっているワム!の「ラスト・クリスマス」は、80年代っぽさを取っ払い、良い意味で原曲のイメージを無くしている。
ホリデー・アルバムといえば、こういったスタンダード曲をカバーするのが一般的だが、本作は12曲中6曲が新曲で、オリジナル・ソングも充実している。
アルバムからの先行シングルとしてリリースされた「ユー・メイク・イット・フィール・ライク・クリスマス」は、米カントリー・シンガー=ブレイク・シェルトンとのデュエット・ソング。ブレイク・シェルトンとは、米版オーディション番組『ザ・ヴォイス』で共に審査員を務め、現在も交際中だと囁かれている。公私を支えるパートナーだけあり(?)、2人の息がピッタリ合ったこの曲は、アルバムの中でも最もご機嫌なナンバーで、楽しそうにレコーディングする様子が目に浮かぶようだ。本作がハッピーな雰囲気に包まれているのも、彼との交際が順調だから…だろう。
その他にも、カントリー・ポップの「ネヴァー・キスト・エニーワン・ウィズ・ブルー・アイズ」や、「マイ・ギフト・イズ・ユー」~「アンダー・ザ・クリスマス・ライツ」など、グウェン節全開のキュートなポップ・ソングが目白押し。初期のノーダウト・サウンドが蘇る、ニンマリするようなフレーズもあり、往年のファンも納得の出来栄えだ。一方、しんしんと降る雪をイメージしたようなバックサウンドと、優しく歌うグウェンのボーカルに浄化されるクリスチャン・ソング「ホエン・アイ・ワズ・ア・リトル・ガール」や、アルバムを締めくくるピアノの弾き語り「クリスマス・イヴ」など、クリスマスの定番ソングとして歌い継がれてきたような、メロウ~バラード曲もすばらしい。
本作のプロデュースは、キース・アーバンやラスカル・フラッツ、レディ・アンテベラムといった、人気カントリー・アーティストを多数手掛ける、米カリフォルニアの音楽プロデューサー=バスビーと、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーやマルーン5、グッド・シャーロットなどのポップ・バンドのアルバムに携わってきた、エリック・ヴァレンタインが担当している。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
『ユー・メイク・イット・フィール・ライク・クリスマス』
グウェン・ステファニー
2017/10/6 RELEASE
2,700円(plus tax)
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