2017/10/12
大人気コミック『恋と嘘』のアナザーストーリーとして実写化された映画『恋と嘘』が2017年10月14日より全国公開される。遠くない未来を舞台に、森川葵演じる葵と、葵に思いを寄せる“最高”の幼なじみ司馬優翔、そして政府が選んだ葵の“最良”のパートナー高千穂蒼佑の3人の恋と嘘が切なく絡み合う、感動ラブストーリーだ。
葵の良き理解者で葵の幸せを誰よりも願う“最高”の幼なじみ・司馬を演じるのが、今年、同名小説を実写化した『君の膵臓をたべたい』で主演を務めた北村匠海。人気ダンスロックバンドDISH//のメインボーカル&ギターも務め、今、幅広い世代から注目を浴びている俳優の一人だ。Billboard JAPANは多忙を極める北村に単独インタビュー。歌手そして俳優として人気実力ともに急上昇中の北村に、作品のことや、音楽活動、そして20歳の目標などたっぷり訊いたので、前編&後編に分けてお届けする。
――“最高”の幼なじみか、“最良”の結婚相手か、どちらかを選ぶのは難しい選択でしたが、北村さんは、公開前の今、どちらのキャラクターが多くの女性から票を得ると予想していますか?
北村匠海:僕は脚本を読んで、司馬より高千穂を応援していました。(森川)葵ちゃんとも話をしたんですけど、どっちもいいキャラクターなんですよね。男から見ても、どっちも優しいし、高千穂に関してはストーリーが進むにつれて変化していく様子が描かれています。
――大人気コミックのアナザーストーリーということですが、司馬を演じる上で、原作から何か参考にしたことはありますか?
北村:マンガがこれだけ大ヒットしているので、その良さを僕も感じましたし、イラストやストーリー、展開もマンガとしてすごく面白かったんですが、アナザーストーリーとして映画の良さも詰め込みたいと思ったので、あまり原作に囚われず、一つの映画としてあがってきた脚本を読んで役作りをしました。そんなに気負いせずに準備しました。
――司馬はどんな子だと思いますか?
北村:恋と嘘の“嘘”の部分を、司馬優翔という人間が担っているような気がしています。(仁坂)葵に対する愛は誰にも負けないという気持ちはしっかり持っていながらも、葵のことを想うが故に、自分の気持ちに嘘をついてしまう。その自分すら優しさで包み隠して、優しい嘘をつき続けるキャラクターなので、その“優しさ”が司馬にとってキーワードだと思っています。優しさにはいろんな表現方法があり、下手すれば曖昧なものにもなってしまうので、相手に「この人は優しい」と思わせるのは結構難しいと思います。葵を見る目や声のトーンでしか優しさは表現できないと思い、どうしたら包み込めるような優しさを表現できるのか色々と研究しました。脚本を読んだ時に、司馬は優しい子だってすぐに分かったし、監督も分かりやすく描いてくれたので助けられました。映画館の大きなスクリーンに映ると細部まで見られるので、この世界に生きている心優しいキャラクターたちも参考にしながら進めていきましたね。
――ご自身の周りで参考になった方はいらっしゃいましたか? また、司馬と共通する部分はありますか?
北村:僕の周りは優しい人ばっかりなんです。司馬の優しい行動の中には、僕も実際にやるような行動もありました。逆に高千穂は、良い意味で、キャラクターじみてて分かりやすいので、どちらかと言うと司馬の方が共感しやすいです。でも自分に似ているかと訊かれると、どうでしょう(笑)? 優しさの部分だけでなく、人当たりの良さや、誰に対しても変わらない彼の姿は、僕にはないかもしれないです。どちらかと言えば高千穂タイプです。ツンとしているというか、口数が少ない…。あまりしゃべらないタイプなので。
――そういえば、人見知りだそうですね!
北村:葵ちゃんと(佐藤)寛太くんがフランクじゃなかったら、撮影は上手く行かなかったかもしれないですね。あの2人だったからやり易かった。撮影は楽しかったですね。
――みなさん3人、初共演なんですよね?
北村:そうなんです。現場ですぐに打ち解けて、みんな仲良かったです。
――同世代が多い現場と先輩俳優に囲まれる現場では、雰囲気は違うものでしょうか?
北村:違いますね。今回、葵ちゃんと寛太くんは年が近かったので、先輩後輩というより同世代で良い作品を作りあげようという感じでした。寛太くんは僕の年齢より1つ上なんですけど、芝居に関する話では「ここはこうしよう」とお互いきちんと言える間柄でしたね。
――芸歴で言えば、3人の中で北村さんが一番先輩ですよね。
北村:そうなんです。でも、今回の作品では、芸歴とかではなく、葵ちゃんと寛太くんがそれぞれお芝居に対して熱量がある方々なので、現場では色々な話しをしました。
――佐藤さんは学年は違うけど、お友達のような感覚でしょうか?
北村:僕達、お互いにプライベートで遊ぶ時は「寛太」、「匠海」で呼び合うことがあります。僕の周りだけかもしれないですけど、1~2歳の年齢差はあまり気にしないんです。先輩俳優の方達からすれば、ありえないことかもしれませんが、僕の同世代は特に、仲間意識が強いので、みんな同じ目線でお芝居している感じがします。これは小栗(旬)さんもおっしゃっていたのですが、小栗さん世代は、仲良くても、お互いライバルという意識の方が強かったようです。同世代とお芝居の話しをするのは楽しいし、仲間からたくさん刺激をもらってます。
――共演者の第一印象はどうでしたか?
北村:寛太くんはすごくクールな方かなって思ってたんですけど、全然そんなことなくて、おしゃべりモンスターです(笑)。見た目とのギャップが面白い。葵ちゃんの演技を初めて観たのは『渇き。』だったんですが、他の作品なども観て、穏やかで優しい雰囲気が、映像で見たままだったので接しやすかったです。
――佐藤さんと打ち解けるためにご飯を食べに行ったそうですね。
北村:寛太くんが言い出したんです(笑)。僕と打ち解けるために映画を観に行くか、ファミリーレストランでハンバーグ食べようって誘ってくれたんです。それでハンバーグを食べに行ったんです。朝早くて、店には僕らしかいなかったんですが、その甲斐あって打ち解けました。寛太くんの人との距離感の掴み方はすごいなって感心しています。羨ましさも感じながら、「これは友達多いはずだ」って納得しました。<後編に続く>
Text: Mariko Ikitake
Photos: Yuma Totsuka
◎作品情報
『恋と嘘』
2017年10月14日(土)より、全国ロードショー
監督:古澤健
出演:森川葵、北村匠海、佐藤寛太、徳井義実ほか
配給:ショウゲート
(C)2017「恋と嘘」製作委員会 (C)ムサヲ/講談社
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