2012/07/05
7月にバンド結成25周年を迎えるスピッツが、公式リリース楽曲を全曲配信することが明らかになった。
「空も飛べるはず」「ロビンソン」「チェリー」、さらには現在 三井生命のCM曲に使用されている「スカーレット」といったシングルナンバー。昨年ドラマ主題歌を飾った原田真二のカバー曲「タイム・トラベル」などは既に配信中だったが、このたび結成25周年を記念して、パッケージ商品でしか発売されていなかったオリジナル・アルバムやシングルのカップリング曲を解禁。これによって現在では入手困難なトラックやライブ・テイクを含め、全219曲(ver.違い含む)をダウンロードすることが可能となる。
7月11日 0時より、iTunesやレコチョクといった配信サイトにて順次解禁されていく予定となっているので、名曲の数々をぜひチェックしてもらいたい。
◎スピッツ25周年 全曲ダウンロードに関するコメント
今年の7月、スピッツが初めてのライヴを行ってから25年が経ちます。つまり、結成25周年。結成した月(誕生月)だからなのかどうかわかりませんが、以前からスピッツは7月に何事か起きる(起こす)ことが多いのです。
90年代半ば、スピッツがデビューして数年経った頃、クリスマスが恋人たちの特別の日のようにもてはやされることに反撥(?)して、日本には「七夕」があるじゃないか、この日こそ日本人にとっての「恋人たちの日」だろうということで、「七夕布教活動」をゆるーくやっていたことがあります。1994年の7月20日にリリースした「青い車」というシングルは、本来7月7日にリリースしたかったんですが、イレギュラーな発売日だったため願い叶わず。翌年の「涙がキラリ☆」は念願叶って七夕にリリースすることが出来ました。その後、1996年のアナログ・シングル「チェリー」、1997年には『ソラトビデオ2』、1998年のシングル「楓/スピカ」、と毎年なんらかのアイテムをリリース。最近では2010年7月7日にデジタル・シングル「ビギナー」をリリースしました。
そして結成25年に当たる今年の7月、スピッツは現在CDでは入手が難しくなっている楽曲も含め、全公式リリース楽曲のダウンロードを開始します。
スピッツはこれまで、全てのオリジナル・アルバムを数量限定のアナログ盤でもリリースしたり、8cmCDシングルを早い段階で廃盤にし、12cmCDシングルとして出し直したり、オリジナル・アルバムのリマスタリングをするなど、フィジカルなフォーマットには意識的に取り組んできましたが、デジタル・ファイルに関してはやや消極的でした。メンバー自身がレコード世代であることもありましたし、幅広いファン層に支えられているバンドなので、一部のユーザーに不便をかけることになるような状況にならないよう配慮してきた、というような側面もあります。
ただ、デビューから20年以上が過ぎ、発表した楽曲が200曲を超える現在、たとえば「古いシングルのカップリングに入っていた曲が聴きたい」、という人に対して、音だけでも手軽に聴ける状態にしておくことは意味のあることでしょう。また、PCやスマートフォンで音楽を聴く層が非常に多い現状(僕もそのひとりです)、CDショップやEコマースでパッケージを購入するより、安価で手早く購入できるダウンロードのほうを好む層も増えています。
今回の試みで、新たにスピッツの音楽に触れる人が増えたり、ヒット・シングルくらいしか知らなかったけど、アルバム収録曲を試聴したら良かった、なんていうことが起きたら嬉しいことです。
膨大過ぎてどこから手を出していいかわからない、という方は、まずはシングル・コレクションなどからお試しいただいて、その中で特に好きな曲があったら、その曲の入ったオリジナル・アルバムの曲を聴いてみる、なんていう入り方はいかがでしょう。
いずれにしても、これまでスピッツが誠心誠意丁寧に制作してきた楽曲たちが、全曲並列に扱われて、気軽に触れることができる。
今回のデジタル全曲配信は、その点に大いに意味があると思います。
スピッツ・ディレクター 竹内 修(wilsonic)
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