2017/08/14
くるりが8月11日、12日に開催された【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO】に出演し、クロージングアクトを務めた。
半分以上のステージが全アクトの出演を終え、静まり返った3時30分。ゆるりとステージに現れた3人とサポートメンバーたちによって演奏された1曲目は「鹿児島おはら節」。北の大地のロックフェスティバルで、この曲を最初に持ってくるあたりがなんともくるりらしくて、思わずニヤけてしまう。
昨年9月に結成20周年を迎え、ベストアルバムや過去を振り返るライブを行っていた彼ら。ここでも「虹」「WORLD’S END SUPERNOVA」「ばらの花」と立て続けに懐かしいナンバーを披露。さらに昨年再現ライブが行われたアルバム『アンテナ』の収録曲も続いていく。サポートを含めた6人編成でのバンドアンサンブルが美しく、時に激しく絡み合い、北の空気を震わせる。
「お空が明けてまいりました」という岸田の言葉に空を見上げると、たしかに雲に覆われながらもずいぶんと明るくなってきたようだ。そして、「ライジングサンだからこの曲やろうと思って」と言って奏でられたのは、「太陽のブルース」。時に笑うように、時に叫ぶように、時に踊るように唄う岸田。彼が唄う「太陽は言った/今日までの日々は永遠じゃなくて そう 一瞬だったさ」というフレーズに、バンドを20年間続けてきたことの重みと、その音楽をこうして今、この瞬間に聴けていることの喜びが重なる。
間もなく5時を迎えようとする頃。すっかり空は明るくなり、白い雲一面に。1日目の夜中から降り続いた雨は止んだが、念願の朝陽を望むことは残念ながら難しいようだ。音楽のお祭りが終わり、日常が近づいてきている。「働けよって歌です」と冗談っぽく岸田が笑い、「Liberty&Gravity」で本編は締めくくられた。
鳴り止まない拍手に1曲だけと演奏されたアンコールの「ロックンロール」。そこには20年のキャリアをいい意味で感じさせない瑞々しさがあった。ここには音楽が好きな人しか集まっていない。ただそこで鳴っている音を、その瞬間を思い切り楽しむだけ。そうやってみんなが過ごしてきた2日間の終わりに、こういう音が聴けるのは、何よりも胸が熱くなる。メンバーが去った後、来年のライジングサンの開催決定が発表された。また来年、この場所で音楽を思い切り楽しめる日が今から待ち遠しい。
なお、【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO】は8月10日、11日に開催される。
◎公演情報
【RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO】
2017年8月11日・12日
北海道小樽市・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
(C)RISING SUN ROCK FESTIVAL 撮影:釘野孝宏
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像