Billboard JAPAN


NEWS

2017/07/26

【FYF Festライブ・レポート】ナイン・インチ・ネイルズ、視覚/感情に訴えかける圧巻のパフォーマンス

 現地時間2017年7月21日~23日にかけて米カリフォルニア州エクスポジション・パークにて開催された【FYF Fest 2017】。ここでは、ビョーク、ミッシー・エリオット、フランク・オーシャン、そしてナイン・インチ・ネイルズがヘッドライナーを務めた同フェスのBillboard JAPAN特派員による最速レポートをお届け。今回は、3日目のヘッドライナーを務めたナイン・インチ・ネイルズのライブ・レポートを紹介する。
 
 プロダクションは非常にシンプルでバンド・メンバーの背景には真っ白な幕があるのみだが、ステージ左右には異様な数の照明が設置されている。これから始まる約3年ブランクを経たライブが一体どんなものになるのか。期待が高まったところで黒のサングラスに真っ黒な衣装に身を包んだトレントが登場し「Branches / Bones」でライブがスタート。ブランクを感じさせないヴォーカルに痺れ、続く「Wish」ではステージの至るところに設置されたストロボからのフラッシュとスモークとの効果でメンバーが確認できないほど真っ白になったステージ。サウンドは激しく脳天に直撃してくる。そして、音が非常にクリアで素晴らしい。

 冒頭から激しい曲が続いた後にキーボードの美しい旋律が印象的な「Something I Can Never Have」では、トレントのヴォーカルに酔いしれる。この曲からキーボードのリズムは少し違うが「The Frail」という流れはまるで2曲が1つのペアのように感じられる構成が良かった。「Copy of A」では背景の白幕にステージ上のメンバーの影が複数映し出されるというその仕組みが簡単なようで錯覚的な仕掛けが所々に散りばめられている。

 トレントのこの日初めてのMCは3年ぶりにこの場に戻ってこられた喜びを表すとともに、その間に大切な人も失ったとデヴィッド・ボウイの名前を挙げて『★』(ブラックスター)から「I Can’t Give Everything Away」をカバー。アレンジでは電子音が印象的で、その流れのまま「The Lovers」へ。突き抜けるような爆音が気持ちよかった「Reptile」、スクリーンと白幕へ映る映像と照明そして電子音が見事にシンクロした「The Great Destroyer」、拡声器を用いて「Burning Bright」、いつの間にかステージ両脇にあった照明がメンバーを取り囲む配置に変わって「The Hand That Feeds」のサビではその照明がメンバーを後方から照らしいかにもロックコンサートのライトを浴びながら飛び跳ねるオーディンス。続く「Head Like A Hole」を含むこの2曲は今日のライブの盛り上がりのハイライトとなったところで本編終了。

 アンコールの呼び声の中、トレントのキーボードから「Hurt」が始まり、特に“Everyone I Know, Goes away in the end”という詞が、ライブ途中にデヴィッド・ボウイのことに触れたからか、妙に胸に突き刺さるものがあった。まさに、大トリにふさわしいパフォーマンスだった。

Photo: FYF 2017 Goldenvoice Media

◎公演情報
【FYF Fest 2017】
2017年7月21日~23日
米カリフォルニア州エクスポジション・パーク
INFO: https://fyffest.com

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