2017/07/22
CDが売れないなんていう話は、ここしばらく音楽業界関係者の会話のデフォルトになってしまっているが、そうはいってもまだまだたくさんのCDが毎週のようにリリースされる。もちろん、売れるものもあるし、売れないものも多い。ただ、確実にしっかり売れるのが、いわゆるベスト・アルバムだ、今週のHot Albumsを覗いてみても、スピッツやミスチルなどのベスト盤はやはり強い。
そして、今週13位にチャートインした、ゆずのベスト・アルバム『ゆずイロハ1997-2017』も、長く売れ続けそうな作品だ(【表1】)。彼らのデビュー20周年を記念したベストだけに、3枚組のCDにヒット曲も代表曲も満載。ファンならずとも持っておきたいと思う人は多いことだろう。実際、すでに12週経過しているが、15位以内にとどまっている。チャートをよく見ると、セールスに関しては少しずつ右肩下がりになっているのがわかる(紫のグラフ)。しかし、ルックアップ(CDのPC読み取り数)は下がっておらず、これはレンタルの回転が非常に好調だということ(オレンジのグラフ)。この指数が下がらなければ、セールスも大幅に落ち込むことはなく、チャートも上位で推移することが多いのだ。
同じことが、今週12位にチャートインしている秦 基博のベスト・アルバム『ALL TIME BEST ハタモトヒロ』にもいえる(【表2】)。本作も売り上げに関しては緩やかに下降しているのだが、ルックアップは逆に上昇している。この影響で、再びセールスが伸びることも考えられるだろう。いずれにしても、ロングセールスになる可能性は大きく、新曲やライブといった他のニュースによっても変動するはずだ。そういった意味では、ベスト盤は展開次第ではどこまでも伸びる余地がある。ゆずも秦 基博も、どこまでチャートを更新していくかに注目したいと思う。text by 栗本斉
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