2017/06/26
SANABAGUN.が2017年6月23日、自身最大規模の全国ワンマンツアー【THUG TOUR powered by BEAMS T”】のファイナル公演を開催、ライブレポートが到着した。
あまりに痛快で、素晴らしいツアーファイナルだった。“最高”というよりも“最強”という言葉がふさわしいような、間違いなく現行の日本の音楽シーンでSANABAGUN.でなければ体現できない、どこまでも自由で刺激的、そして完全独自のアンサンブルとパフォーマンスが繰り広げられた。終演後の会話でMCの岩間俊樹は「やっぱりサナバが一番カッコいいですね。このバンドが敵じゃなくてよかった」と口にしていたが、紛れもない本音だと思う。
「SANABAGUN.だ、味わえー!」という恒例の掛け声を経てステージに登場したメンバーに浴びせられるオーディエンスの歓声は、ちょっと尋常ではない様相だった。ステージに立つ8人のメンバーはとめどなく膨れ上がるフロアの熱量と期待値をクールに受け止めながら、その音楽力でオーディエンスをさらにアジテートするかのように1曲目の新曲「Yukichi Fukuzawa」を鳴らした。
1音1音のすごみを感じさせるタイトでありながらパワフルなアンサンブルは、ジャズをルーツとする演奏陣が繰り出す、どす黒くも心地良いグルーヴに満ちていて、さらに岩間のラップと高岩遼の歌唱が織りなす色気と妙に高揚する。「これぞSANABAGUN.!」と快哉を叫びたくなる「Yukichi Fukuzawa」から続けざまに放った「板ガム―ブメント」、「B-Bop」、あらためて会場一体となって「SANABAGUN.だ、味わえー!」と咆哮した「SANABAGUN.Theme」と、序盤から緊張と緩和を自在にコントロールするようなステージングは見事だった。
メロウでムーディーなサウンドスケープでオーディエンスをクールダウンさせた「まさに今、この瞬間。」と「HSU What」。アレンジを大幅にチェンジし各パートのプレイが際立った「Stuck IN Traffic」と、どこか歌謡曲を思わせる仕様になった「Mammy Mammy」も実にフレッシュに響き渡った。
本編後半に畳み掛けた「居酒屋JAZZ」、「BED」、そしてラスト「人間」の流れはストリートから這い上がったSANABAGUN.だからこそ表出できる、ツアータイトル通りの“サグい”エンターテイメント性が浮き彫りになっていた。
アンコールも、やりたい放題だった。8人がマイクリレーする「もう実家帰りなよ」を披露したかと思えば、メンバーはそのままステージを立ち去り、二度目のアンコールでは新曲「ジャバ・ダ・ハット」から「デパ地下」へとつなぎ、不敵なユーモアを会場にふりまいた。
そして、最後のMCで9月に大阪と東京で対バンイベント【VS SANABAGUN. Round 2】を開催することを発表。大ラスを飾ったのは、「WARNING REMIX」。ニュージャックスウィングとディスコが変則的に融合したような、やはり極めてオリジナルなサウンドをもって最後の最後までオーディエンスを踊らせ、【THUG TOUR】は大団円を迎えた。
TEXT:三宅正一
PHOTO:小見山 峻
◎公演情報
【VS SANABAGUN. Round 2】2017年9月16日大阪・心斎橋JANUS
【VS SANABAGUN. Round 3】2017年9月24日東京・渋谷WWW X
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