2012/03/15
昨年は“アガる!”をテーマに作品を発表し、新機軸を打ち出したgirl next door。この春、初のシングル集としてリリースした『SINGLE COLLECTION』が、3月19日付のオリコン週間ランキングで26位となった。
08年のavex設立20周年記念に際し、同社の王道3人組ユニットとしてメジャーデビューを果たした彼女たち。往年のavexカラーを踏襲した4つ打ちサウンドで人気を博し、09年にシングル『Infinity』で初のオリコン1位に。デビューイヤーから2年連続で「紅白歌合戦」出演と、華やかな快進撃を続けてきた。
しかし、社をあげての展開には一部で批判があったのも事実で、千紗自身も「確かにネットのマイナスな意見などを初めて目にした時、衝撃はありました」と当時を振り返る。また、音楽性やファッションの面でも、自らユニットイメージを考慮して自粛していた所はあったようだ。
千紗「avexサウンドというテーマがあったから、最初から色んなジャンルを表現するユニットではなかったんです」
大きな変化が見られたのは11年。デビュー3周年を目前に迎える中、“アガる!”をコンセプトに、歌って踊れる楽曲の発表を決定する。それはスタッフらと共に“自分たちの良さ”を改めて熟考し、辿り着いた答えだった。千紗も「素に近いありのままの自分を出せる」と意気込んだが、そんな最中に震災が日本を襲った。
“この時期にテンションの高い曲を連続リリースしていいのか”。凄惨な現実とのギャップに対する苦悩は大きかった。「みんなそんな状況でもないのに……」という想いが千紗を悩ませ、シリーズ第1弾シングル『ダダパラ!!』を作曲した鈴木大輔(key)も、制作時は心を痛めていたという。
そんな彼女たちの背中を押したのは、やはりファンの声だった。avex主催の夏フェス【a-nation】に出演した彼女たちは、会場の笑顔に救われることになる。まだシングルリリース前の『ダダパラ!!』を演奏した瞬間、観客が大いに盛り上がったのだ。「(観客の)姿を見て、“やって良かったんだ!”って思ったんです」。
会場に来た時だけでも、楽しめる時間を。根源的な音楽の魅力を再確認した彼女たちは、その後アガる!三部作と呼ばれるシングルリリースを発表。そして11年12月、シリーズ集大成となるアルバム『アガルネク!』を潔くリリースした。
こうして2011年を大きな節目としたgirl next doorだが、反面、セールスでは苦戦を強いられたのも事実だ。“アガる!”シリーズがTOP10圏内に入ることはなく、このたびリリースした『SINGLE COLLECTION』も先に記した通り。これまでの軌跡を思えば、決して満足できる結果ではないだろう。以下、同じく千紗の言葉だ。
「それは無茶苦茶つらいですね……。より自分たちで考えた上、自分のやりたいものが今まで以上に出せている気がしていて、3周年を超えて小文字に変えたりと、メンバー全員に意気込みを感じているのに……、やのに!!!!って(笑)」
それでも彼女は、今のスタンスでやれている自分たちが「凄い好き!」と胸を張る。girl next doorは現在、最新作のリリースを記念した全国ツアーを展開中だが、「変に欲を出さずに楽しんでやれていることが一番大きい」という本ツアーは、3月30日のShibuya O-EASTで最終公演に。
その後は、さらなるビッグプロジェクトとして、五十嵐充(EX.Every Little Thing)とのコラボも予定しているという。かねてよりELTの大ファンを公言してきた千紗にとって、次作もまた、大きなターニングポイントとなりそうだ。
「きっと今のライブで完全燃焼したら、新たな答えや希望が見えてくる。それは今までもそうだったので、ポジティブだけじゃない一面も出せていければなって思ってます」
◎アルバム『SINGLE COLLECTION』
2012.03.07 RELEASE
[CD+DVD]
AVCD-38439/B 3,990円(tax in.)
[CD ONLY]
AVCD-38440/B 3,150円(tax in.)
◎ツアー【girl next door Live Tour 2012 ~Best Collection ~】
03.17(土) 宮城 Rensa
03.18(日) 福島 CLUB ♯9
03.20(火・祝) 北海道 PENNY LANE 24
03.24(土) 静岡 Live House 浜松 窓枠
03.30(金) 東京 Shibuya O-EAST
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