2017/05/19
5月6日、京都・磔磔にてbonobos、アナ、Special Favorite Musicが出演する【LIVE!SECOND ROYAL】が開催された。
この日、トリで出演したbonobos。築100年を迎えた蔵という、京都ならではの趣のある空間の中、サウンドチェックに耳を傾けながら、ライブのスタートを待つ。bonobosには、初夏の宵がよく似合う。ざわつく景色の向こう側に潜む、始まりの予感。そんな想いを巡らせているうちに、客電が落ち、会場から拍手が沸き起こる。
「こんばんは、bonobosです。」というボーカル蔡の一言を経て、始まったのは「東京気象組曲」。情感豊かな言葉に彩られた、煌く音の粒子が一気に会場を染め上げていく。続くは「Hello innocence」、そして「THANK YOU FOR THE MUSIC」。心地よいバックビートとグルーヴィなサウンドが会場を揺らす。意味づけなど必要なく、bonobosの音楽がこの場所で鳴り響いている…。このそれだけで満たされる幸福な気持ちを何と呼ぼうか。MCによると磔磔でのライブは「オリハルコン日和(2009年発表)」の頃以来という彼ら。そんなブランクを感じさせることのない、和やかなMCに会場から笑い声がこぼれる。「三月のプリズム」、さらに「あなたは太陽」とステージは進んでいく。緩やかに滑り出し、やがて熱を帯びて高揚していく音の波。優しくも強い存在感を放つ蔡忠浩の歌声に、時に重なり、時に交じり合うしなやかなバンドサウンドは、まさにプリズムのようだ。どの角度からも眩い光を放ち、見る人の心の中に、その瞬間にしか映しえない独自の音像を刻みこむ。そんな圧倒的な演奏の後、「あータオル忘れた」と始まるユルいMCに、会場が再び笑いに包まれる。
ラストは「Cruisin' Cruisin'」、「23区」でクライマックスを迎えるステージ。繰り返される言葉、フレーズは、一音ごとにうねりを生み、緩やかな波からやがて大きな渦へと発展、一気に会場を飲み込んでいった。ファンク、ビート、ダブ、ソウル、フォーク、ロック…そんな言葉だけでは表しきれない、bonobosだけにしか生み出せない「音楽」がそこにあった。この日の選曲は、昨年リリースされた最新アルバム「23区」を機軸としたセットリスト。現在の5人体制となって作り上げた「今」の彼らと、15周年を経て、現在進行形でさらに深化する「bonobos」の世界観が伺える充実のステージだった。
アンコールの「GOLD」の後、「また会おう」と笑顔で舞台を降りるメンバーたち。
現在は新曲制作も行っているとのことで、今後のライブではそんな新曲を聞かせてくれる機会もあるだろう。6月には初のビルボード公演に挑むbonobos。都会の大人が集う空間で、どんな表情を見せてくれるのか?充足感と更なる期待に満ち溢れた、京都でのライブだった。
Text by Y.Sugimoto
Photo by Yuico Taiya
◎公演情報
【LIVE!SECOND ROYAL】<終了>
2017年5月6日(土)京都磔磔
出演:bonobos/アナ/Special Favorite Music
◎今後の公演情報
【bonobos】
ビルボードライブ東京
2017年6月7日(水)
1st 開場17:30/開演19:00
2nd 開場20:45/開演21:30
ビルボードライブ大阪
2017年6月9日(金)
1st 開場17:30/開演18:30
2nd 開場20:30/開演21:30
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