2017/05/13
以前このコラムで、今後バンドが続々とチャート上位に入ってくるのではないかと書いたのだが、実際に様々なバンドがシングル・ヒットを出すようになっている。しかも、新人ではなく、ある程度落ち着いてきてもいいはずの中堅バンドが、続々とフレッシュな楽曲を発表しているのだ。
JAPAN Hot100で、今週19位にランクインしたクリープハイプの「イト」もそんな勢いを感じさせる1曲だ(【表1】)。昨年はドラマやアニメのタイアップで引っ張りだこだった彼らだが、この曲は公開されたばかりの映画『帝一の國』 主題歌。映画の効果もあって、ラジオのオンエア回数の指数が非常に高く、先週は4位。今週も9位と大健闘(緑のグラフ)。これは、マスコミからの注目度が非常に高い証拠でもある。そしてそれはそのままネクストブレイクの予感にも繋がる。更に大きなタイアップと今まで以上にキャチーな楽曲を発表すれば、昨年のRADWIMPSの「前前前世」のような大ヒットにつながる可能性も秘めている。
そのRADWIMPSも昨年の大ブレイクに続き、今年も勢いが余りあるほどだ。新曲「サイハテアイニ」は、今週は20位(【表2】)。だが、まだ先行配信分しか反映されておらず、フィジカルのCDはこれからのリリース。よって、デジタルでの前煽り効果がうまく発揮できたたといえるだろう。とくにツイッターでのつぶやきの指標は非常に高く、先週は14位にまで上がっていたほど(水色のグラフ)。CDリリースを向けて。さらに盛り上がるのは必然と言ってもいいほどだ。
なお、クリープハイプの尾崎世界観も、RADWIMPSの野田洋次郎も、いずれも30代前半の同世代。今いちばん勢いある彼らのような中堅バンドが、ますます活躍してくれるに違いない。text by 栗本斉
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