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2017/04/08 18:00

シングル候補の名曲づくし! 哀愁系エレクトロを軸にしたザ・チェインスモーカーズのデビュー・アルバム(Album Review)

 2016年、全米ソング・チャート12週間の首位を獲得した、大ヒット曲「クローサーfeat.ホールジー」で大ブレイクを果たした、エレクトロ・デュオ、ザ・チェインスモーカーズ初のフル・アルバム『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』が、遂にリリースされた。

 本作からは、今年1月に「パリ」、2月に「サムシング・ジャスト・ライク・ディス」 (ザ・チェインスモーカーズ & コールドプレイ)の2曲が先行シングルとしてリリースされていて、どちらもTOP10入りを果たす大ヒットを記録している。この2曲からも予想できたが、本作は“踊れる”エレクトロ・ミュージックではなく、テンポを落とした哀愁系エレクトロが主となった作品。ブレイクのキッカケとなった2014年のシングル「#セルフィー」からは想像できないような内容になっている。

 アルバムのプロモーションとして、発売10日前に公開されたオープニングの「ザ・ワン」は、ピアノの旋律が美しいメロウ・チューン。ニューヨーク出身の女性シンガー・ソング・ライター、エミリー・ワーレンのファルセットが曲の美しさを際立てる「ドント・セイ」、エミリーが参加したもう1曲のメロウ・チューン「マイ・タイプ」など、オープニングからシングル候補の名曲が続く。

 フレンチ・ポップ界の美女シンガー、ルアンヌのパワフルなボーカルが印象的な「イット・ウォント・キル・ヤ」や、日系アメリカ人のR&Bシンガー、ジェネイ・アイコがボーカルを担当する「ウェイク・アップ・アローン」は、粘り気のあるエレクトロ・サウンドと、彼女たちの声質がマッチした、名曲「ローゼズ」のようなナンバー。ラストを飾る「ラスト・デイ・アライヴ」には、「クルーズ」(2012年)や「ダート」(2014年)のヒットで知られるカントリー・デュオ、フロリダ・ジョージア・ラインが参加している。

 2015年リリースのEP盤『ブーケ』は1曲を除く4曲が、昨年大ヒットした『コラージュ』では全曲にゲストが参加していたが、本作はゲストなしのタイトルが12曲中6曲と半分を占めていて、チェインスモーカーズ単体の良さも実感できるアルバムになっている。「クローサー」そっくりの「ブラッドストリーム」や、ロック調の「ブレイク・アップ・エヴリ・ナイト」や「ヤング」も名曲。

 全曲をドリュー・タガート、アレックス・ポールの2人が制作し、プロデューサーにはビヨンセ等を手掛けるDJスウィベルと、ウォーク・ザ・ムーンの「シャット・アップ・アンド・ダンス」(2014年)を大ヒットさせた、プロダクション・トリオのキャプテン・カッツが参加している。

 国内盤には、大ヒット曲「クローサーfeat.ホールジー」、「ドント・レット・ミー・ダウンfeat.デイヤ」、「ローゼズfeat.ロゼス」の3曲も収録される。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『メモリーズ...ドゥー・ノット・オープン』
ザ・チェインスモーカーズ
2017/4/7 RELEASE
2,376円(tax incl.)

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