2017/02/14
ブルーノ・マーズが、【第59回グラミー賞】授賞式のプリンス・トリビュートで完璧なパフォーマンスを披露。故プリンスへ敬意を表し、きらびやかなパープルのスパンコール・スーツに白いフリルのブラウスを着て登場したマーズの目元には濃いアイメイクが施されていた。
現在アメリカでは”ビューティー・ボーイ・ムーブメント”と呼ばれる、男性による派手なメイクが流行している。生前好んで濃いメイクをしていたプリンスや故デヴィッド・ボウイ、今で言えばアダム・ランバートなどのミュージシャンはこのトレンドの先駆者と言えるだろう。
そして現在のビューティー・ボーイ・ムーブメントを牽引しているのが、メイクアップ・アーティストのマック・ダディことエンジェル・メリノだ。アリアナ・グランデやティナーシェ、クリスティーナ・ミリアンなどのアーティストと仕事をしてきた26歳のメリノに米ビルボードが話を聞いた。
―いつ頃メイクを始めたんですか?
エンジェル・メリノ:僕は子供の頃から、母や叔母たちや従姉妹たちなど、たくさんのヒスパニック系の女性たちに囲まれて育った。彼女たちはヘアスタイルやメイクとか、キレイに見えることにとても関心を持っていた。メイクアップ・カウンターに連れて行ってもらった時に、何もかもがキラキラしていて魅力的で威厳があって、圧倒されたことを覚えている。僕は16歳の時から少しだけメイクをするようになったんだけど、はじめは隠れてやっていたんだ。そして、ノードストロームのMACで仕事をするようになって、MACのブランド理念は個性を祝うことだったから、そこは僕にとって初めて自分を完全に表に出せる場所になったんだ。それで、徐々にもっと濃いメイクをするようになった。
―周りの反応はどうでしたか?
メリノ:まだ慣れてなかったね。でも僕には自信があった。人にジロジロ見られても構わなかった。女性は応援してくれたね。ストレートの男性は理解してくれなかった。ミュージシャンのボーイ・ジョージやアダム・ランバートなんかはずっとメイクしているじゃないか。昨日の【グラミー賞】のプリンス・トリビュートでもブルーノ・マーズがアイライナーをしていたし、マイク・ポズナーもファンデーションとキャット・アイライナーをしていた。
ミュージシャンは自己表現の手段としてメイクをするけれど、僕だってそう捉えていた。例えば、自分ではメイクをしたくない男性でも、違う意味で人とは違う部分を持っていたとしたら、僕がメイクをしている姿を見て勇気付けられるかもしれないじゃない?伝統的ではない何かや、起こるはずがないことや筋が通らないことを見ることで人が希望を見出すことだってあるんだ。そういうことが男性メイクの動きを加速させているんじゃないかな。
―全ての男性がメイクをする時代が来ると思いますか?
メリノ:ジャスティン・ビーバーがつけまつげを二重にしてハイライトを入れるってこと?分からないけれど、もしそうなったら素晴らしいし、あまり驚かないな。自己表現と自意識に役立つと感じるようになれば、男性もメイクを発見すると思う。ドラァグ・カルチャーやアウトサイダー・カルチャーではずっと男性がメイクをしてきた。前面に出てなかっただけで、こういうものはいつか必ずメインストリームに進出してくるものなんだよ。
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