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2017/02/13

衰え知らずの濃厚系ファンキー・ブルースマン、ボビー・ラッシュが83歳で初グラミーの栄冠に

 日本時間2月13日におこなわれた世界最高峰の音楽賞【第59回グラミー賞】。今年はビヨンセとアデルによる“2大ディーヴァ対決”が注目を集めたが、結果はアデルの『25』が年間最優秀アルバムに輝くなど主要4部門で3冠を達成、ふたたびアデル旋風が吹き荒れた。

 主要部門の受賞結果はもちろん、音楽の祭典ならではの華やかなパフォーマンスの余韻は、授賞式終了後もしばらくの間、多くのメディアや人々の話題の中心となるだろう。そこで、ここではあえて主要部門以外の賞レースを制したアーティストたちにスポットライトを当ててみたい。

 今回<最優秀トラディショナル・ブルース・アルバム>に輝いたのは、なんと御年83歳の現役シンガーだ。彼の名前はボビー・ラッシュ。骨太かつ“R指定”全開のファンキーなブルース、ド派手なファッションにマシンガン・トークなど強烈な個性を武器に、60年以上もローカル・ショービジネスの世界を渡り歩いてきた、正真正銘のレジェンドである。彼のことを知らない人でも、アーティスト写真や映像を見れば、なんとなくキャラクターは掴めるのではないだろうか。

 60年代から現在まで、つねに精力的に、とくに近年は一層頻繁に新作をレコーディングし続けてきたラッシュにとって、念願の初グラミー受賞となった作品『Porcupine Meat』(2016年9月発表)。ジョー・ボナマッサやケブ・モなどが参加した同作は、もはや彼のキャリア何作目になるかは彼自身も把握できていないと思うが、今作ももちろん一切の衰えもなく、濃厚なファンキー・ブルースを炸裂させている。

 過去に数々のブルース関連の賞を手にしてきたラッシュだが、やはりグラミー受賞は特別なようで、自身のSNSでその喜びを爆発させている。ちなみに早速「グラミー仕様」となったオフィシャルFacebookページのTOP画像が地味にイケてるので必見。新作発表のみならず、今も現役バリバリのソウル・レビューを繰り広げているボビー・ラッシュ。ここ数年の間には何度か来日公演をおこなっており、単独公演のほか2014年にはシル・ジョンソンらと【FUJI ROCK FESTIVAL '14】にも出演。良い意味で雄大な自然との調和不可のギラギラ系パフォーマンスで幅広い世代を魅了したのも記憶に新しい。衰え知らずどころか、年々濃厚に、そして強烈に、加速し続けるファンキー・ブルースマン、ボビー・ラッシュにふたたびお目にかかれるその日を楽しみに待ちたい。


◎Bobby Rush「Porcupine Meat」
https://youtu.be/t-ulP7k7RVw


◎番組情報
『第59回グラミー賞授賞式』
放送日:2月13日(月)夜10:00[WOWOWライブ] ※字幕版
※3月にはリピート放送
3月12日(日)午後5:00[WOWOWライブ]※字幕版

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