2017/01/17
ブルース・スプリングスティーンのトリビュート・バンド、Bストリート・バンドが、米大統領就任式前夜に開催されるイベントへの参加を辞退すると表明した。
現地時間2017年1月20日に行われる就任式前夜にワシントンD.C.で開催される【ガーデン・ステート就任舞踏会】に出演予定だったBストリート・バンドは16日、スプリングスティーンのファンサイト“Backstreets.com”を通じて出演辞退を発表した。
「これはブルースとEストリート・バンドに対する尊敬と感謝の気持ちだけに基づいた判断です。ブルースの音楽はずっと僕たちの生活の基盤でした。ブルースとEストリート・バンドの兄弟たちの才能なくしてはBストリート・バンドは存在しませんでした」とBストリート・バンドのオーナーでキーボード奏者のウィリー・フォルテが綴った。
Bストリート・バンドは先週、この超党派イベントに参加予定であることが報道されたことで非難の的となっていた。【ガーデン・ステート就任舞踏会】は、ニュージャージー州のための祝賀イベントで、バンドは2013年に既にブッキングされていた。Bストリート・バンドは2009年と2013年にバラク・オバマ大統領が就任した際にもこのイベントのステージに立っている。
フォルテは米ビルボードに対し、「(事実が)歪められていた。僕たちはトランプに雇われたわけじゃない。しかも就任式当日に演奏するわけでもなくて、前日の夜の予定だったんだ。オバマが就任した時だって2回とも演奏したんだよ、ノンポリのイベントだからね。でも今回は飲み込まれてしまった。そして嵐に巻き込まれたら手を打たなければならない。その場にとどまることはできない。僕たちにとって一番大切なことはブルース・スプリングスティーンとその音楽とEストリート・バンドに対する尊敬と感謝の気持ちなんだ。だから辞退することにした」と予期せず“嵐”に巻き込まれた戸惑いを語った。
Bストリート・バンドは、スプリングスティーンのトリビュート・バンドとして主に活動しているものの、ニュージャージー州にゆかりのあるフランキー・ヴァリなどのアーティストもカバーしている。「そうやって37年もフルタイムでバンド活動をしてきたんだ。でも今回この嵐に巻き込まれてしまった。誰だって15分でいいから有名になりたいと思うものだけど、こんな形でじゃないよ」とフォルテは語った。
「僕たちのバンドには一般的に知られていないたくさんのいいことがあるのに、今やこのことで大々的に知られるようになってしまった。僕たちの全ては間接的にブルースのおかげだから、全部彼に返したい。今回僕たちが下すべき決断が明確になった理由はそこにある」と彼は話した。
この騒動が起きる前、フォルテはこのイベントに出演することは“大統領職への尊敬の念”を示す行為であり、“政治的な意図はない”と米ビルボードに話していた。
だがこの騒動に関してTwitterで意見を求められたEストリート・バンドのメンバー、スティーヴン・ヴァン・ザントは14日に、「彼らはいい奴らだよ。会ったことがある。どっちが正しいとか間違っているとかは言わない。彼ら次第だ。でも芸術と政治を切り離せると考えているのは甘いね。芸術は政治そのものなんだから」と答えている。
◎スティーヴン・ヴァン・ザントによる投稿
https://twitter.com/StevieVanZandt/status/820334085071601664
Nice guys. Met them. I wouldn't say right or wrong. Up to them. But it's naive to think one can separate Art and Politics. Art IS Politics. https://t.co/yoAtWruY9B
— Stevie Van Zandt (@StevieVanZandt) January 14, 2017
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