2017/01/16
映画『沈黙-サイレンス-』のマ-ティン・スコセッシ監督が16日、東京都内で来日記者会見を行った。
本作は、遠藤周作の歴史小説『沈黙』と出会ったスコセッシ監督が、28年の時を経て映画化したもの。
17世紀の江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるため、日本にたどり着いた宣教師の目に映った想像を絶する出来事を通して、人間にとって本当に大切なものとは何かを描く。
スコセッシ監督は「今回、積年の思いでやっと『沈黙』を完成させることができました。日本の皆さんにこの作品を受け入れてもらうことができて、夢がかなった思いです。ありがとうございます」と感謝を述べた。
スコセッシ監督は「原作は日本で読ませていただいたんですけれど、その時に映画化したいと思いました。しかし、どう作るべきなのか、この原作をどう解釈すべきなのか、自分の答えが見付からずにいました。そこには、当時の自分の宗教観や、自分の中の疑念、日本の文化に対する理解がまだ足りなかったということもあると思います。この作品との付き合いは、一つの壮大な学びの旅、試行錯誤の旅でした」と振り返った。
また「作品は完成したのですが、これで終わりだとは思っていません。今も自分の心の中に掲げていて、この映画と共に生きているという感覚を持っています」と思いを語った。
会見には、長崎で隠れキリシタンの伝統を受け継ぎ、信仰を続けている村上茂則氏も登場した。作品を見た感想を聞かれると「映画の中で自分の先導たちがひどい目に遭って、これだけの弾圧を受けながらやってきた。涙が出てきました。ぜひ世界の人たち、日本の人たちに、この映画を見ていただきたいです」と語り、スコセッシ監督と握手を交わした。
映画は21日から全国ロ-ドショ-。
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