2017/01/11
映画『この世界の片隅に』が、 1月10日に第90回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画第1位と、監督賞をW受賞した。アニメーション作品が日本映画ベスト・テンで第1位に選ばれるのは、1988年度の『となりのトトロ』以来2度目の快挙。そして監督賞にアニメーション監督が選出されるのは、片渕須直監督が初となった。
本作は、戦時下の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で、大切なものを失いながらも日々を大切に前を向いていく女性、すずを描いたアニメーション作品。片渕監督が6年の歳月をかけ、戦中戦後の綿密なリサーチと時代考証を行い、こうの史代漫画の世界を色鮮やかに描き出した。
本編の音楽を奏でるのは、シンガー・ソング・ライターのコトリンゴ。片渕監督の前作映画『マイマイ新子と千年の魔法』で主題歌を担当した彼女が、本作では本編楽曲も担当。予告では、彼女がカバーしたザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」が使用されており、作品の世界観を壮大に歌い上げている。
1月10日現在、『この世界の片隅に』は、キネマ旬報ベスト・テンをはじめ、広島国際映画祭等で8受賞、9ノミネート。9週目にあたる1月7日(土)~8日(日)の2日間の動員は約5万7千人(先週比206%)公開館数は177館(初週より+114館)。全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)では10位に入り、9週連続TOP10入りを死守し、累計動員は86万名、累計興収は11億円を突破している。
◎公開情報『この世界の片隅に』
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄
監督補・画面構成:浦谷千恵
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎
製作統括:GENCO
アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
<STORY>
どこにでもある 毎日の くらし。昭和20年、広島・呉。わたしは ここで 生きている。
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。
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