2012/04/17
結成15周年、メジャーデビュー10周年を迎え、初のベストなど4タイトルを同時リリースしたACIDMAN。4月14日【ACIDMAN LIVE“15th & 10th Anniversary Tour”】さいたまスーパーアリーナ公演を開催した。
今回のツアーはオリジナルアルバムを引っ提げたものではなく、初のベスト盤リリース後に開催されたこともあってか、この日のセットリストはインディーズ時代のものから最新曲まで、ACIDMANの歴史を感じさせるものであった。視覚的な演出も、今や伝説化している日本武道館や幕張メッセ国際展示場での公演を踏襲しながら、バンド史上最も衝撃的でハイクオリティな内容に。そんなチームACIDMAN全体の気迫を感じさせるアクトは、序盤から間髪入れずキラーチューンをノンストップで畳み掛けるという、超攻撃的な形でスタート。否応なしに観客は大声で歌い叫び、飛び跳ね、拳を振り上げ続けるしかない状態となる。
更に、大木伸夫(vo,g)が「俺たちの故郷、埼玉へようこそ」「僕たちがみんなに感謝するライブです。心の底から感謝します。そういう想いを今日はたっぷりと。生かされた命とか、与えられた命、本気で燃やしていこうと思いますので、最後の最後まで一緒に盛り上がっていきましょう。よろしく!」と挨拶すれば、会場に溢れる熱量は更に増していく。また、インスト楽曲を畳み掛ける場面では、一切ミスの許されない緊張感の中で、どこまでもディープで幻想的な世界へと誘い、その後の『水写』へと繋いでいく流れは美しくドラマティックであった。
しかし、次の瞬間に会場の空気は一変。浦山一悟(dr)MCコーナーである。いきなり声が裏返ってしどろもどろになったかと思えば、「どうも、ブサイクです!」と挨拶し、更には「一度でいいからなってみたい。向井理の顔とボディ」というギャグでどんズベリ。それでも誇らしげに「最高だね。故郷に錦を飾ったね」と語り、笑いを誘っていた。なお、彼はアフリカで購入したマサイ族の衣装で同ツアー各地を移動しており、34歳の誕生日にはその衣装の布をグレードアップさせてあげようと、大木から“良いレース3枚”をプレゼントされている。
そんな愛すべきキャラクターの緻密でエモーショナルなドラミングと共に、ライブは後半戦も大盛況。初期の代表曲から大作まで惜しみなく披露し、『ALMA』では目前に宇宙を創造してみせる。そして、メンバーやスタッフ、ファンへの感謝を述べた大木は、「この瞬間が俺の、俺たちのひとつの証明だと思ってます」とこれまで幾度となく人々の心を震わせてきた名曲『ある証明』を熱唱。佐藤雅俊(b)も尋常じゃないテンションで観客を煽り、3人と観客の生命が爆発する瞬間には号泣しながら歌い叫ぶファンの姿もあった。
また、大木が「どうしてもやりたい曲があって」と超大作と、その前に「今日は埼玉なので。彩の国なので」ということでもう1曲。そのふたつを衝撃的な映像と共に続けて披露し、ACIDMANが鳴らすロックは芸術的側面から見ても如何に秀逸であるか、人の心を激しく打つ音楽であるかを証明した。なお、彼らは4月21日 台湾のThe Wall TAIPEIでツアーファイナルを迎えるが、海外でも日本に劣らぬ感動を生み出すことだろう。
カメラマン:TEPPEI
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