2016/12/27 18:00
2016年はビートルズが初来日を果たした日本武道館公演から、50年の節目となる年だった。2015年のポール・マッカートニー再来日に続き、メンバー最年長であるリンゴ・スターが、この記念すべき年に日本の地を踏んでくれたことは、ビートルマニアだけでなく多くの音楽ファンにとって嬉しいニュースとなっただろう。76歳を迎えた今も、ビートルズ時代と変わらない愛くるしい笑顔とお得意のダブルピースは健在、そんなリンゴの2016年を振り返ってみたい。
新年早々に全米ツアーの開催を発表したリンゴだったが、同ツアーのキックオフに先駆け、4月、反LGBT新法を通過させたノースカロライナ州への抗議のため、同州での公演をキャンセルしたことで話題に。リンゴはザ・ビートルズの「愛こそはすべて」を例に挙げ、同法を批判した。前週にブルース・スプリングティーンも同様の理由で公演をキャンセルしていたこともあり、このニュースは音楽以外のメディアにも注目を集めることになった。
そして、6月3日のニューヨーク公演を皮切りに全米ツアーがスタート。約1か月で21公演をおこない、終了直後の7月7日には、76歳のバースデーを迎えた。盟友の誕生日を祝し、ポール・マッカートニーが80年代の2人の写真をSNSで公開し、話題に。さらに、翌8月には初ひ孫も誕生し、ビートルズのメンバーではじめて“ひいおじいちゃん”になったというニュースも飛び込んできた。
9月にはビートルズのドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK ‐ The Touring Years』が公開。ロンドンでおこなわれたワールド・プレミアにポールとともに登場した。また、同月リンゴは“国際平和デー”のキャンペーンの一環として、新曲「Now The Time Has Come」とそのミュージックビデオも公開している。
そして10月、ついにスティーヴ・ルカサーやトッド・ラングレン、リチャード・ペイジなど、おなじみの超豪華オールスター・バンドとともに約3年ぶりに来日。追加公演を含む5都市8公演では、ソロ曲はもちろん「マッチボックス」「イエロー・サブマリン」などビートルズ時代のナンバーも多数披露した。リンゴだけにスポットライトを当てるのではなく、ルカサーによるTOTOの「ロザンナ」「アフリカ」やトッド・ラングレン「アイ・ソー・ザ・ライト」など、豪華バンド陣の見せ場が存分に用意されているのも、リンゴのライブならではの醍醐味。さらに、10月31日の東京公演ではステージセットや演出をハロウィン仕様にしたり、最終日にはマーティー・フリードマンが飛び入りで参加するなど、リンゴの人柄とユーモア溢れるエンタテイメント・ショーで日本のファンを魅了してくれた。
来日公演終了後も、韓国、ハワイ、そしてアメリカと11月後半までツアーを続けたリンゴ。派手なスター柄のシャツやキラキラのジャケットをまとってドラムを叩き、ときにセットから飛び出しステージを躍動するリンゴは、2016年もエネルギーとピース&ラヴに満ちあふれていた。
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