先日、大晦日に放映されるNHK「紅白歌合戦」の出場者が発表された。全46組の出演者のうち、今年の初出場は10組。欅坂46やRADIO FISHのようなニューカマーから、Kinki KidsやPuffyのように「出たことなかったの?」と思ってしまうベテランまで様々だが、ビルボード的に注目したいのは宇多田ヒカルとRADWIMPS。なぜなら、彼らのアルバムは発売日以降、ずっと下がることなく上位をキープしているからだ。
今週5位を記録した宇多田ヒカルの『Fantome』は、今さら説明するまでもないだろう(【表1】)。9月28日にリリースされてから、Hot Albumsでは4週連続1位を獲得し、その後は先週まで3週連続2位。今週になって少し落ち着き5位に下がった(青のグラフ)。しかし、下がったとはいえ、ただたんに新譜のアルバムが多かった時期ということもあり、今週の7位まではすべて初登場作品。ということは来週にはまた順位が上がる可能性もある。なぜなら、ルックアップ(PCでの読み取り数)に関しては、発売日以降ずっと1位と2位を推移(オレンジのグラフ)。これは、レンタルなど含めずっと飽きられず聴き続けられている証拠なのだ。
同じような動きをしているのが、今週9位にランクインしたRADWIMPSの『君の名は。』だ(【表2】)。Hot Albumsでの記録は、8月24日の発売日以降、やはり4週連続1位。その後も多少の変動はあれど、ほぼベスト5をキープしてきた(青のグラフ)。本作もルックアップは3位以内を下ることなく、時期によっては宇多田ヒカルよりも上位になっている(オレンジのグラフ)。映画のヒットという恩恵もあるが、バンドとしての基礎体力があったからこそだろう。
彼らは初めて紅白歌合戦に出場するということは、それまでも期待感からアルバムは売れ続けるだろうし、出演後の年明けもまたチャートアップすることが予想される。いずれにせよ、今年を代表するアルバム2枚であることに間違いない。
text by 栗本斉