2016/11/24
ユニークなアイディア溢れるミュージック・ビデオで知られる米シカゴのバンド、OK Goが2016年11月23日に「ザ・ワン・モーメント」の新作ビデオをFacebookで公開した。
米ビルボードのインタビューに応じたメンバーのダミアン・クーラッシュは「ザ・ワン・モーメント」が特に情緒的でひたむきな内容の曲だった為、ミュージック・ビデオも「驚きと喜びの気持ちを表現する際に、ふわっとしたパステルっぽいトーンや明るさが前面に出すぎないようにすることが重要だった。僕らのミュージック・ビデオは大抵とても楽しいし、軽快な感じだけど、この曲はもう少し心がこもった作品にする必要があったんだ」と語った。
2014年のアルバム『ハングリー・ゴースト』に収録されている「ザ・ワン・モーメント」。クーラッシュとティム・ノードウィンドは、元々高揚感を与える宣言としてこの曲のサビを書いたが、現在の文化や政治の見通しによりその意味合いが若干変わってきた。隣に座るノードウィンドに向かってクーラッシュは「お前、この前言ってたよな。“結局このアルバムは全部この瞬間の為に書いたものだったのに全然気付かなかったなんてクレイジーだよな”って」と確認し、この曲については“なんてことだ、一体今何が起こったんだ?”という気持ちを強調する内容で、最近の一連の出来事を考慮すると「まるで予言のような不思議な感覚だ」と話した。
バンドがイメージした映像を実現させる撮影スタッフについてノードウィンドは「僕たちの作業工程とかセットとか、作品が完成するまでの経緯とかが非伝統的なせいで、業界の一番クレイジーな人間を引き寄せてしまうみたいなんだ。みんな冒険したいんだよ。自分たちの仕事を少し斜めからとか、違う方法で見つめ直して欲しいと僕たちはいつも頼んでるんだ。そういうチャレンジがみんな楽しいんだろうね」と話した。
OK Goの名前を一躍有名にした「ヒア・イット・ゴーズ・アゲイン」の手作り感溢れるルームランナーのミュージック・ビデオが発表されたのは2006年。ネットで“バイラル”になる(爆発的な人気になる)という現象が今ほど普通ではなかった頃だ。今年で10周年を迎えるこの曲についてクーラッシュは「昨日のことように感じるし、100年前のようでもあるし」と話す。ビデオが注目を浴びたことから一気に人気バンドとなった彼らだが、2、3か月ほどすると自分たちが“一発屋”になってしまう可能性があることにメンバー全員が気付き、大ヒットの次の作品をどうすればいいのか真剣に考える必要に迫られた。
幸いにもOK Goは、その後も斬新なミュージック・ビデオと絡めて次々とヒットを飛ばし続けている。バンドを長続きさせる秘訣は直感に従って我が道を行くことだそうだ。「僕たちほどミュージック・ビデオがキャリアの中で大きな割合を占めているミュージシャンは他にいないんじゃないかな」とクーラッシュは話す。音楽と映像との融合については“組み合わせる食べ物を想定しながらワイン作りを行わない”のと同じで、ビデオのコンセプトに合わせて曲を書いたことはなく、作曲には常に注意を払い、全神経を注いでいると彼は話す。
「これらの曲は、ビデオで他の人に見てもらう前から僕たちにとってはもっと豊かな命を持っているんだ。映像世界にはめ込む頃には全く違うものに変化しているから、それは最後の層であって芯ではないんだ」と、自分たちの音楽が持つ幅について語った。
◎「ザ・ワン・モーメント」MV
https://www.facebook.com/okgo/videos/10153836041340683/
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