11月21日、東京・Zepp DiverCityにてクーラ・シェイカーの【JAPAN TOUR 2016 / Album“K”再現ライブ】が開催された。

　1994年、ロンドンにて結成されたクーラ・シェイカー。オアシスやブラーといったバンドらを中心に巻き起こった“ブリットポップ・ムーブメント”が社会現象とまでなった1996年、彼らがリリースしたデビューアルバム『K』は、当時においても異質な存在感を放ち、バンドは一躍注目を浴びることとなった。

　デビュー20周年を迎えた2016年、そのデビュー作『K』のアップデートという意味も込めて題されたニューアルバム『K 2.0』をリリースし、7月には【フジロック】出演も果たした彼らが、バンドのアニバーサリー・イヤーを記念して、【『K』再現 + more songs】となるジャパン・ツアーを、2016年11月21日、東京・Zepp DiverCityよりスタートさせた。

　11月9日にニューアルバム『ハンドルを放す前に』をリリースしたばかりのOGRE YOU ASSHOLEが前座出演し、ソリッドかつ深みのあるサウンドで確かな爪痕を残した後の転換中、突如ステージの左右に『K』のアートワークを模した袖幕が出現。下手側の幕には大きく“K”という文字が、上手側の幕には『K』のジャケットにも登場するヒンドゥー教の神、クリシュナ神が描かれている。そして、いつの間にやらフロアにはお香が焚かれており、開演前から『K』の世界観が演出されていた。

　シタールなどのインド楽器の音色で奏でられたエキゾチックなSEが流れる中、登場したクーラ・シェイカーが1曲目に披露したのは、ビートルズ「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」のカバー。続いて最新作『K 2.0』より「Let Love B (with U)」をプレイし、まずは観客のご機嫌をうかがう。クリスピアン・ミルズ（vo/g）が、「ほぼ『K』をそのまま演るよ」と言っていたように、今回のショーは『K』をほぼ曲順どおりに再現しつつ、合間に『K』以外の曲もプレイされるという複合リストになっていた。

　「ゴ！ヨン！サン！ニ！イチ！」と、クリスピアンの日本語によるカウントダウンから暗転、「Hey Dude」の披露とともに【『K』“ほぼ”再現ライブ】がスタート。オルガンのサイケデリックな音色、うねるベースと堅実なドラミング、そして荒々しくドライブするギター＆ヴォーカルワーク、バンドの重厚なグルーヴとともに観客のテンションも序盤から爆発する。その後も「Knight on the Town」、「Temple of Everlasting Light」と、アルバムのディープな世界観を大事にしながら『K』収録曲を次々と披露していく。「Into the Deep」では、まさにこれぞUKロックといったカタルシスたっぷりのバンドアンサンブルを奏で、日本で最初にリリースされた曲として紹介された「Grateful When You're Dead / Jerry Was There」では、観客も盛大にシンガロング。合間には「Dance In Your Shadow」、「Shower Your Love」、「Gokula」といった初期のレア曲やB面曲も披露されたことで、この日のライブはよりプレミアムなものになったと言える。

　アンコールでは、最新作『K 2.0』より「Infinite Sun」、「33 Crows」が披露され、ジョー・サウスのカバー「Hush」では、オーディエンスも熱狂的にダンスする。満を持して投下された「Govinda」では、間違いなくこの日一番の大合唱が巻き起こり、祝祭的なムードを漂わせながら、世界で最初の【『K』再現ライブ】のラストを締めくくった。

　残りの【JAPAN TOUR 2016 / Album“K”再現ライブ】は、11月22日に東京・恵比寿リキッドルームにて、11月24日に大阪・なんばHatchにて開催される。

Text：Takuto Ueda
Live photo：Mitch Ikeda

◎公演情報
【JAPAN TOUR 2016 / Album“K”再現ライブ】
11月21日(月) 東京・Zepp DiverCity　＜終了＞
11月22日(火) 東京・恵比寿リキッドルーム
11月24日(木) 大阪・なんばHatch

◎リリース情報
『Kompendium - The Ultimate K anniversary 3 Vinyl Box Set』
2016/12/9 Release
8,500円（tax in.） / 税込シリアル・ナンバー入り / 全世界500セット完全生産限定盤（アナログ3枚組ボックス・セット/輸入盤）