2016/11/11
赤西 仁が11月9日に幕張メッセ イベントホールで、【JIN AKANISHI LIVE TOUR 2016 ~Audio Fashion Special~ in MAKUHARI】を開催。このスペシャルライブのために、結成後に即解散した赤西と山田孝之とのユニット“JINTAKA”が一夜限りの復活を果たした。
6月22日にセルフプロデュースアルバム『Audio Fashion』をリリースした赤西は、7月9日から全21公演がソールドアウトしたホールツアーを行い、45,000人を動員。本公演はそのアンコール公演で、7,000人のファンを集めた。
ライブは、オープニングムービーから圧巻。胎児のように丸まった、全裸の赤西。客席からも嬌声が上がる。生れ出た後に感情のない瞳で囚人のように歩く彼がチューニングされると、魂が宿り服をまとう。そこで映像とリアルの赤西が交錯し、1曲目の「Only Human」がスタート。昨年のツアーは“拡張現実”がテーマだったが、今回はおそらく、彼の「脳内」がテーマなのだろう。このオープニングからなんと11曲目が終わるまで、一切、赤西がしゃべることはない。
今回のステージ演出で特筆すべきは、プロジェクションマッピングの導入だ。映像が彼の脳内を具現化し、ステージに次々と不思議な世界を映し出す。ライブというより、時に壮大、時に繊細な物語を見せるショーのようだ。特にホールからアリーナにスケールアップした今回は、プロジェクションマッピングの壮大さ、「Mi Amour」で弾くレーザー光線を放つギターの美しさが増した。ステージ構成も、2本の花道から延びるセンターステージも出現。アリーナらしい広さを活かした演出となった。
しかし、最新テクノロジーを凌ぐのが、やはり、赤西仁という唯一無二の存在だ。「Eat Ya Heart Out」ではひとりギターをかき鳴らし、「Can’t Get Enough」ではキーボードプレイを披露。ノリノリの「SUMMER LOVING~Good Time~Hey What's Up?」のメドレーでは客席とのコミュニケーションを引き出し、ライブらしい肉体表現で一体感を生み出す。
「今年最後のライブなので、悔いのないように楽しんでください」と言ってスタートした後半戦は、バラード曲の「Body Talk」。この曲で女性ダンサーが見せるポールダンスは、無機質な世界を照らす一筋の光のように輝く。赤西も、「ポールダンスが見たいので、みなさんに背中を向けて歌います。見納めなので!」と彼女のダンスに見入ったが、バラードを聴かせる赤西のボーカリストとしての力量にも驚かされる。
そして、この日、一番の盛り上がりを見せたのは、「Choo Choo SHITAIN」だ。これは9月21日にリリースした赤西と俳優・山田孝之とのユニットJINTAKAの楽曲で、オリコンデイリーCDシングルランキング2位(9/20付)になりながら、10月3日に行われた同作のリリースイベントで早々に「方向性の違いで」と、解散発表。モニターに大きく「一夜限りの再結成」の文字が出ると、会場にひと際大きな歓声が上がり、センターステージからJINTAKAが登場。赤西が「タカユキヤマダ!」と紹介すると、「スペインから来ました」と、海外撮影からライブに駆けつけた山田の登場に会場の熱狂が高まった。
ラストは、アルバム『Audio Fashion』唯一の日本語詞、ピアノが映えるバラード曲「Episode」。すべてが昇華し平穏に戻ると、再びオープニングの胎児のような赤西の映像につながり本編は終了。ホールツアーのアンコールはダンサー紹介を兼ねた「TGC」1曲だけだったが、スペシャルのこの日は、スタンド1F席と2F席の間の通路を2曲分の時間をかけて赤西がトロッコで1周。最後までファンの近くで歌う姿が印象的だった。
ライブという場であっても赤西が求めるものは、自分の表現を完璧に見せること。ボーカリストとして、ダンサーとして、音楽制作者として、演出家として、赤西が求めるものは、「完璧」なのだ。「赤西の脳内は、どうなっているのだろう?」。ライブを見るたびに、そう思わせる人だ。年内のライブはこれで最後。来年のさらなる進化に期待したい。
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