2016/10/17 21:00
LAMP IN TERRENが、10月15日にワンマンツアー【GREEN CARAVAN TOUR】の追加公演を東京・恵比寿LIQUIDROOMで行った。バンドにとっても過去最大規模のワンマン公演となったこの日は、「今日は節目のライブになりました」と松本大(Vo&G)がMCでも語っていたとおり、バンドにとって大切な一幕を刻んだステージとなった。
鳥がさえずる声をSEに4人がステージに現れると、まずは松本がアカペラで「キャラバン」の一節を歌い上げる。その歌声だけで一気に場を掌握すると、1曲目「林檎の理」へ。川口大喜(Dr)が力強いビートを叩き出し、中原健仁(B)が低音をしっかりと支える。大屋真太郎(G)のギターが浮遊感を醸し出す。続けて「ランデヴー」「Grieveman」とパワフルで熱量高い曲をプレイし、ツアーやフェス出演を経て成長したアンサンブルを見せる。オーディエンスも、拳を突き上げ、声を合わせ、その熱に応える。
中盤のピークになったのは、会場限定販売のシングルに収録された「heartbeat」「pellucid」の2曲だ。「heartbeat」は、その名の通り心臓の音を思わせるようなビートから始まる1曲。川口の叩き出す四つ打ちのリズムが楽曲をドライブさせ、ひんやりとしたギターの音色と伸びやかなハイトーンのメロディーでドラマティックな世界観に惹き込んでいく。
そして「pellucid」は、この日10月15日に公開された映画『何者』の劇中歌として提供した曲のセルフカバーだ。映画の中では菅田将暉が演じる大学生バンドが歌う曲だが、LAMP IN TERRENの中でも“青さ”を感じさせる1曲。松本のMCによると、引っ込み思案で、周囲にも心も閉ざして、学校にもなかなか行かなかった高校時代のことを思い出しながら書いたという。オーディエンスもじっくりと聴き入っていた。
後半は「メイ」「緑閃光」とバンドの重要曲を続けて披露し、さらには「ここから急にかっ飛ばしていくけど、ついて来れますか!?」とアップテンポな「ワンダーランド」を披露し、クライマックスに向けて加速していく。そして終盤のハイライトは5月にリリースした両A面シングル「innocence」「キャラバン」の2曲だ。疾走感の塊のようなアンサンブルに松本の噛み付くような歌声が響く「innocence」はバンドにとっての新境地。この日も緊迫感とエッジの鋭さを示していた。そしてツアータイトルにもなった「キャラバン」は、バンドの進んでいく旅を象徴するようなナンバー。大きな包容力で4人とオーディエンスを繋ぐような1曲だ。「魔法の様な唄を唄って 目映い今日を色付けていく」という一節は、この日最も大きな合唱を巻き起こしていた。
ただ、この日の序盤では演奏をやり直すなど、いくつかのトラブルも見られた。松本は終わった後に「悔しかった気持ちも大きい」と語っていた。ひょっとしたらバンドにとって100点満点の完璧なパフォーマンスではなかったのかもしれない。が、逆に、松本の歌声からはマイナスを吹き飛ばすような、がむしゃらな気迫が伝わってきた。歌声も、ところどころで、がなるような唸り声になっていた。そういうところに、胸を鷲掴みにするLAMP IN TERRENのロックが持つ“力”も感じられた。
photo: Tetsuya Yamakawa
◎リリース情報
会場限定シングル『heartbeat』
¥1,000(tax in) NOW ON SALE
M1:heartbeat
M2:pellucid
◎「heartbeat」MV
https://youtu.be/6Pi9hnPx-c4
◎ライブ情報
【GREEN CARAVAN TOUR】ファイナル
2016年10月23日(日)長崎 DRUM Be-7
チケット:前売り¥3,000- (税込・ドリンク代別途)
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