2016年8月27日、大阪・泉大津フェニックスにて【RUSH BALL 2016】の1日目が開幕した。1日21組、2日間で総勢42組のアーティストが熱いライブを繰り広げた。
朝から曇り模様だった空に日差しが照りつけた、お昼の真っ只中、暑さがピークになった頃、メインステージに登場したのは、TOTALFAT。「今日1日の楽しみ方を教えてやる」と披露したのは、「夏のトカゲ」や「Place to Try」などヒット曲。カンカンに照りつける日差しをパワーに変えるようなステージングだった。そんなパワー溢れるステージなのか、バスドラが壊れるというハプニングもありつつも、「PARTY PARTY」でオーディエンスを踊り狂わせた。
バンドがほとんどを占めるこのイベントで、どんなステージを見せてくれるのか、期待に満ちたオーディエンスがびっしりと埋め尽くしている。早速RYO-Zが「俺たちのダンスミュージックを聴いてくれますかー?」とオーディエンスを煽り、初っ端から「楽園ベイベー」のイントロ!期待通りのこのナンバーにパンパンの会場は否が応でも沸き上がる。さすがベテラン、休むことなく「JUMP」で観客を飛び上がらせれば、次は超ヒットチューンの「FANKASTIC」でMC4人の華麗なダンス&ステップで魅せ、広い泉大津フェニックスを端の方までダンスフロアに変えていた。「なぜ今まで呼ばれなかったのか。来年もよろしくお願いします!」と、すっかり会場を取り込んだ彼らが、次に選んだ曲は、「最後まで盛り上がり続けたいんですよね?熱い夜を迎えたいってわけですよね?」と、炎天下、真昼間に披露する「熱帯夜」、ラストの「JOINT」ではすごい数のタオルがブンブンと振り回され光景は圧巻だった。「来年も来れそうです」とSUが立ち去り際に言うと大歓声ともに拍手が沸き上がり、完全にラッシュボーラーを虜にしていった。
前半にHomecomingsなどが登場したATMCステージでは、ビルボードライブ東京で行われたLINE LIVEでも会場を盛り上げてくれたSANABAGUN.が登場。恒例でもある「SANABAGUN.Theme」を皮切りに、彼らのルーツでもある、ジャズが漂いながらも、ヒップホップで包容された飛び抜けた音楽センスの集団に会場に集まった誰もが度肝を抜いただろう。「大渋滞」では全員が腕を上げ、猫のような振り付けで、お茶目な一面も見せた。そんなギャップにどんどんと引き込まれていき、オーディエンスの上がる手が確実に増えていた。"SANABAGUN.コール"からの「WARNING」で締め、関西に現代のヒップホップを知らしめた。
SEがなく、楽器をかき鳴らしたままスタートしたのは、銀杏BOYZ。ここ最近ではおなじみの赤いホットパンツを着て登場。「若者たち」、「I DON'T WANNA DIE FOREVER」、「骨」など新旧様々な選曲で往年のパンクロックが流れる。西日が迫り行くステージには気温だけではない、彼の熱い魂が解き放たれていた。「あなた達とこの歌を歌いたかった」と披露したのは「BABY BABY」。イントロが流れた瞬間、オーディエンスは待ってました!と言わんばかりの歓声を上げ、ファンにはたまらないステージとなった。
日が沈み始めた16時頃に現れたのは、Dragon Ash。「飛び跳ねろー!」と「For divers area」、「La Bamba」など、前半、夏には欠かせないアッパーチェーンをぶっ放す。MCでは、「大阪のフェスは良いバンドが多いし、良いバンドは良いお客さんがついてるし、最高な空気でやらせてもらってます」と想いを語った。新曲「光りの街」、「Headbang」のロックとミクスチャーのDAらしい2曲を投下し、熱くなりすぎた泉大津を少しクールダウンのMCで「知らない曲でも皆楽しそうに聴いてくれてうれしいです」ファンへの感謝を口にしてから、あのイントロが鳴らされると大歓声が。「百合の咲く場所で」で「ハイ!知ってるー!」と大爆笑を起こし、曲間で何度も挟むKJの感謝の言葉が何とも心に響きウルっとさせられる瞬間もあった。最後はDragon Ashのアンセム、「Fantasista」が流れると会場は一体化し、最高潮の盛り上がりを見せた。
すっかり日も沈んだ泉大津フェニックス浜風が少し肌寒く感じるメインステージにいつもの民謡のSEに登場したのはBRAHMAN。アッパーな曲から期待したファンはびっくりしたかもしれないが、TOSHI-LOW(Vo)が歌い出したのは「満月の夕」。「去年のトリのときの最後の曲から始めるのは、感謝の気持ちです。今は無事だけど、明日は分からない。これが最後のステージになってもいいという気持ちで、2年連続BRAHMAN始めます!」と始まった怒濤の展開。「賽の河原」、「BEYOND THE MOUNTAIN」など、まさに観客との戦いのようなセットリストを披露。観客も負じとゴロゴロとダイバーが増えていく中、TOSHI-LOWがステージを飛び降りオーディエンスの渦へ。観客の中でサーフし続けながらした"長い"MCはあえて割愛するが、今年も笑いの本場大阪・泉大津フェニックスを大爆笑にて落としたのはさすがの一言。「何か面白そうだと思って。Dragon Ash、テナー、BRAHMAN、歴代のトリの後にSiMがどんなライブするのかな、だったらバトンを渡そうと思って、ここに立ちました。」とこの日の"トリ"SiMにバトンを託したくて、東北へ未来の為にバトンをつないでいる人の為にと「鼎の問」を披露。ラストは圧巻、「THE ONLY WAY」にて壮絶な40分にわたった熱戦が幕を下ろし、トリのSiMに重く熱いバトンが繋がれた。
「キタキタキター!」となんと自転車で登場したのは、group_inou。「THERARY」の曲中には彼らのイメージキャラクター、イルカくんが登場するなど、ユーモア溢れるパフォーマンスを披露。だが、彼らのエレクトロでもありヒップホップなナンバーは本当にセンスがいい。ATMCを一気にダンスフロアへと変貌させた。
メインステージ、一つ前のBRAHMANから歴代の大トリを担ってきたバトンを渡されたSiMが登場。何かこちらが少し緊張する変な感じだったが、彼らも'13年以降、4年連続出演し、大トリに充分値するバンドだ。「俺たちと心中して下さい!!」と「Get Up,Get Up」からスタートすると待ちわびたオーディエンスらはヘッドバンキングやダイブで応えると「MAKE ME DEAD!」でSiMの世界観をまざまざと見せつけたかと思えば、キャッチーに「右手と左手を交互に。モンキーダンスしませんかー?」と「GUNSHOTS」にてフィールドをダークで悪そうなモンキーダンスフロアに変えていく。フィールドもヒートアップしていくなか大切な曲をと「Same Sky」を美しく少しメロウなこの曲中、観客に携帯のライトを灯す様にを促したMAH(Vo)。後ろを振り返るとものすごい数の明かりになんとも神秘的な風景が目に映った。この曲で少しクールダウンしたオーディエンスにGODRI(Dr)が13年前にRUSH BALLに観客として遊びにきていたこと、「13年あればなんでもできる。ソッチ側にいた奴が、今トリをやってまーす!オレたちがこの身をもって証明しにきました!お前らにこの曲を送ります!」とラスト曲の「EXiSTENCE」。凄まじい数のダイバーがステージを目指していたのが印象的だった。曲が終わるとコソっと「アンコール…」といいながらステージから去り会場を和ませると、応える様に観客からコールがかかかると、再び現れ、「ハッピーエンドなんてくそくらえ」と少し捻くれたニヤリとさせるMCから「KiLLiNG ME」「f.a.i.t.h」と投入しフィールドをカオスと化し、宣言通りSiMらしい最高の"BAD"エンドにてステージ本編が終了した。
◎公演情報
【RUSH BALL 2016】
日程:2016年8月27日(土)-28(日)<終了>
会場:大阪・泉大津フェニックス
出演:[27日]BRAHMAN / Czecho No Republic / Dragon Ash / KEYTALK / RIP SLYME / SiM / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA / TOTALFAT / 銀杏BOYZ / ストレイテナー / Awesome City Club [Opening Act]
[27日 ATMC] a crowd of rebellion / group_inou / Homecomings / LAMP IN TERREN / LUCKY TAPES / ReVision of Sence / SANABAGUN. / yonige / サイダーガール / MIYAVI [Closing Act]
[28日]BIGMAMA / go!go!vanillas / indigo la End / MAN WITH A MISSION / MONOEYES / SHISHAMO / WANIMA / キュウソネコカミ / ゲスの極み乙女。 / ドラマチックアラスカ / 感覚ピエロ [Opening Act]
[28日 ATMC]BURNOUT SYNDROMES / Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / Halo at 四畳半 / lovefilm / ONIGAWARA / ココロオークション / パノラマパナマタウン / フレンズ / ヤバイTシャツ屋さん / 忘れらんねえよ [Closing Act]