2016/09/05
結成から約3年半にわたり音楽シーンの常識を覆し続け、近年最もセンセーショナルな異端児アイドルグループとして活躍してきたBiS。再始動発表で大きな注目を集めたが、このたび新メンバーも決まり、お披露目となる初ワンマンライブを9月4日 中野heavysick ZEROにて開催した。
<「ASAYAN形式でお届けしています」デスソースまみれのオーディション>
プロデューサー渡辺淳之介はじめBiS運営陣は、9月1日より3泊4日にわたって【BiS新メンバーオーディション】を地方の某合宿所にて敢行。「ASAYAN形式でお届けしています」と、合宿オーディションらしく早朝マラソンやダンスレッスンはもちろん、食事にデスソースを仕込まれたり、寝起きドッキリを仕掛けられたり、面談で泣かされたり、時に地獄のような目にも遭いながらそれを乗り越えたり、断念したり、途中リタイヤして帰る者も現れたり、BiSらしくドラマティックなノンフィクションドラマを展開。その模様はニコニコ生放送で密着配信され、来場者数は36万人を上回った(※オーディションの詳細レポート&合格者インタビューの模様は、後日改めてビルボードジャパンにて掲載予定)。
そんな試練のオーディションを見事乗り越え、ニコ生視聴者やオーディション参加関係者(運営陣、縁の深いメディアなど)の支持、そして渡辺淳之介の審美眼によって合格したメンバー、ペリ・ウブ、キカ・フロント・フロンタール、ゴ・ジーラ、アヤ・エイトプリンス、プー・ルイの5名が、新たなBiSのメンバーとして初ワンマンライブ【THiS IS BiS】のステージへ。同所は、2011年4月に最初のBiS、プー・ルイ含むオリジナルメンバー4人も初ワンマンライブを行い、同じ曲を連発したり、メンバー同士でディープキスしたり、イギーポップのライブさながらにステージへ観客を次々と上げたりと、そのセンセーショナルなライブ内容は伝説として語り継がれている。
<BiS生還。もう二度と逢えないと思っていたものがそこに在る実感>
結成されたのが(合格発表されたのが)前日の夜ということもあり、歌割りや立ち位置などの決定~練習~リハーサル~正式メンバー名の決定~ライブで何を伝えるかなどの考案~生歌で本番までを超短時間で遂行及び実現しなくてはならなかったBiS。まともなダンス経験者もおらず、元々ダンスが下手なメンバーだったはずのプー・ルイがパフォーマンス面もリードしていくしかない状況も手伝い、開場前の現場では不穏……というか、不安しかないムードが漂っていた。
しかし本番を迎え、新たなBiSの登場とともに聴こえてきた懐かしの「Give me your love 全部」、そして最初のフレーズをプー・ルイが歌った瞬間、会場は懐かしい狂喜乱舞の光景と化し、同時に、あれからずっと知らず知らずのうちに封印していた感情というか、もう戻れないと諦めていた日々いうか、おバカなことばかりやりながらも「世界を変えることができませんでした」と人前で泣き出しちゃうようなアイドルたちへの愛情というか、そういったもう消えてなくなっていたはずの炎が再びボワっと灯るような感覚、実感に包まれる。辺りを見渡すと、暴れながら泣きじゃくっている研究員(BiSファンの総称)の姿もあり、もう二度と逢えないと思っていたものがそこに在る現実に誰もが喜び、それをひたすらに暴れ回るという形で体現。その空気は新メンバーにも伝染し、ペリ・ウブはもう何を言っているのか全く聞き取れないレベルで大号泣していた。
<「この新しい、ちょっと頼りないけど、個性的なメンバーと……」>
そんなBiS生還祭の様相を呈していた同公演。「nerve」「太陽のじゅもん」「primal.」などかつて幾つのもドラマを生み出してきた楽曲ばかりが畳み掛けられ、本編最後の「レリビ」ではあの日と同じように研究員をステージへ次々と上げていき、さらにアンコールでは新生BiS始まりの1曲「BiSBiS」を披露。
プー・ルイが泣きながら「BiSが解散してからの2年間、いろいろ楽しいこともあったけど、ツラいこともあって、そのたびにBiSを理由にして、BiSを嫌いと思ったこともあったけど、だけどやっぱり今日ここに来て「大好き過ぎたんだな」と改めて思いました。合宿で「BiSになれないかも」と思ったとき、本当に「このあとどうしたらいいんだろう?」と思ってて、ずっと孤独と戦っていたんですけど、最後の最後に(合格発表で)名前を呼ばれて、こうしてBiSのプー・ルイとしてみんなと会えたことが本当に嬉しいです。今までのBiSは負けてばっかりの物語で、横浜アリーナも満員ではなかった。けど、これからはこの新しい、ちょっと頼りないけど、個性的なメンバーと、今日来てくれたみんなと、ニコ生を見ている人とか、私たちからは見えないところにもいっぱい仲間はいるから、その人たちと一緒に新しい世界を見に行きたいと思うので、皆さん、またBiSについてきてください。よろしくお願いします!」と語り、最後に「忘れないストーリー ずっともうずっと 失くしたアレ取り返そう」と5人がかりで歌い叫ぶ姿は、強烈に胸を打つものがあった。
<公式ライバルグループ・SiS(シス)乱入 正式に活動開始発表>
終演後には、前述のオーディションで落選したパリピことミチハヤシリオ(仮)、ゆっふぃーことテラヤマユフ(仮)、のび太ことヒラノノゾム(仮)が無断でステージに乱入し、公式ライバルグループ・SiS(シス)として活動していくことを発表する場面もあったが(ちなみに、パリピは『最強伝説 黒沢』を読んで加入を決意したそうだ)、こうした本気か茶番かよく分からない展開も含め、なんともBiSらしい幕開け。新たに始まったBiStory(ビストリー)にぜひとも注目してほしい。
取材&テキスト:平賀哲雄
撮影:Jumpei Yamada
◎ライブ【THiS IS BiS】
09月04日(日)中野heavysick ZERO セットリスト:
01.Give me your love 全部
02.my lxxx
03.nerve
MC
04.太陽のじゅもん
05.primal.
06.IDOL
07.BiS
08.レリビ
En1.BiSBiS
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