EDM新世代を代表するスウェーデン出身、現在25歳のDJ、プロデューサー、リミキサー=アレッソ。これまでカルヴィン・ハリス、ワンリパブリック、トーヴ・ローなどをフィーチャーした大ヒット・シングルを数々発表。2015年5月には満を持してデビュー・アルバム『フォーエヴァー』を<デフ・ジャム>からリリースし、米ビルボード・ダンス/エレクトロニック・アルバム・チャートで見事1位を記録した。
また、【Ultra Music Festival】や【Tomorrowland】などの大型EDMフェスのメイン・ステージでプレイするなど、その高揚感溢れるライブにも定評がある。今回【SUMMER SONIC】にて再来日を果たしたアレッソを<マリン・ステージ>でのセット直前にキャッチ。ライブのこだわりや新作について話を訊いた。
―この後、<マリン・ステージ>に登場しますが、今の気分は?
とってもエキサイトしてる。何故かって言うと、“自分のショー”を日本でやるのは、今回が初めてだから。以前、来日して【Ultra Japan】には出演しているけれど、ショーはすべて【Ultra】のライブ・コンセプトに基づたものだったから。それはそれで別にいいんだけど、今回は自分のステージ・プロダクションを持ってくることができたから、もっと僕らしいステージになる予定だよ。観客に僕のことをもっと知ってもらえるようなね。
―プロダクション面のデザインやヴィジュアルは、どんなものにインスパイアされているのですか?
すべてだよ(笑)。音楽を聴くだけでは分からないことをステージ上で見せたいんだ。僕がやっていることをより深く理解してもらうために。音楽はもちろんだけど、ヴィジュアルの面において、何かを感じられるようなライブ体験を志してる。僕にとって観客とコネクトすることは大事なことで、すべての観客がステージのコンセプトを感じられるような空間にしたいんだ。
―駆け出しの頃に比べ、ショーはどのような進化を遂げていると感じますか?
プロ意識が高くなったのが一番。それと自分の個性をちゃんと見せられるようになったと思う。音楽、ヴィジュアル、そして僕を支えてるクルー…すべてにおいて揺るぎない。だから、ショーにはすごくプライドと自信を持っている。
―ライブをしていて気分がアガル瞬間は?
演奏すること自体と観客の反応の見た時―みんなが楽しんでいる様子をね。それが一番の狙いだから。その瞬間を生きて、楽しんでほしい。
―では、巨大なEDMフェスなどでプレイするDJ、プロデューサーやそういったシーンについて最も誤解されている部分ってなんだと思いますか?
一時的なブームで、そのうち消えてなくってしまうと思われていること。それか、もう下火だと言われてること。
―かれこれ5~6年前から言われますよね。
そうだよね。けれど、そういったフェスに行く人は今でも大勢いる。ただのブームではかたずけられない、巨大なものとなった。というか、ライフスタイルだよね。たとえ一瞬でも現実から逃れられるはけ口なんだ。人は日々多くの悩みを抱えて生きている。でも、ダンス・フェスティヴァルに行くとそういったことは忘れて、友人たちとその瞬間を謳歌できる。一体感が感じられるんだよね。音楽を楽しみ、少し現実逃避するのは、別に悪いことじゃないと思う。それに今年ヒットした曲も半分ぐらいはダンス・ソングでしょ。あのドレイクすらダンス・ミュージックに傾倒した曲をリリースした。だから、そんな簡単に消えてなくなるものじゃないと思うね。
―今年前半に新曲「I Wanna Know(featuring Nico & Vinz)」を発表しましたが、新曲作りの進捗は?ニュー・アルバムもそろそろ期待していいですか?
曲は常に作っているよ。でも、アルバムにはまだ早いかな。いくつか曲はあるから、今秋EPをリリースする予定なんだ。今年はまだ1曲しかリリースしてないしね。理由は自分がどんな曲をリリースするか、ちゃんとこだわりがあるからなんだ。このEPに収録される曲は、これまで作ってきた音楽とかなり違う…そこまで極端ではないけど。これまで聴いたことがないようなサウンドやヴァイブが感じ取れると思う。常に進化し続けたいし、一度やったことは繰り返したくない。
―気になりますね。もっと成熟したサウンドになるということですか?
確かにフェスやレイヴ向きではないかもね。もちろん、フェスやレイヴでプレイするのは大好きで、僕のキャリアにとって重要なことでもあるんだけど。車や自宅など様々なシチュエーションで聴けるような曲だね。昔の曲もプレイし続けるけど、今後「Heroes」みたいな曲を作る気は全然ない。進化し続けながら、いい音楽を作っていくことが目標なんだ。
―なるほど。「I Wanna Know(featuring Nico & Vinz)」では、ニコ&ヴィンスをフィーチャーしていますが、ヴォーカリストを選ぶ際のこだわりは?
やっぱり曲をちゃんと理解してくれて、気に入ってくれていることが大切。お互いの方向性が一致しないと、いいケミストリーは生まれないから。これまで一緒に仕事をしてきたアーティストとはすべて予想以上の結果を得られたと思うよ。もし逆の結果だった場合は、リリースしない。
―ヴォーカリストを想定して、曲作りを行うこともありますか?
あぁ、もちろんあるよ。「I Wanna Know(featuring Nico & Vinz)」の場合は、昨年の秋LAで会った時に、一緒に何かやろうって話してた。そして曲のコアとなるプロダクションが出来上がった時に、彼らにアイディアを投げて、気に入ってくれたから、一緒にやることになったんだ。
―では、最後にアレッソのルーツと言える作品を教えてください。
マイケル・ジャクソンの『スリラー』は鉄板だよね。でも、『オフ・ザ・ウォール』も捨てがたいな(笑)。あのアルバムもすごく好きなんだ。後は、80年代の音楽全般と70年代も好きなものがいくつかあるよ。とにかく“グルーヴ”に惹かれるんだ。それと心に響くコード進行。
―最近の音楽はどうですか?
インスパイアされるものはあるよ。Soundcloud、Spotify、Rdioとかを通じて知って、気に入ったものはよく聴いてる。
―積極的に新しい音楽をディグったりはしますか?
そこまで積極的ではないかな。でも、インスピレーションを求めているときは探すよ。後は、好きな曲を聴いて、こういうヴァイヴの曲を作りたいな、とか思ったり。そっくり真似するわけじゃないけど。日々、その方法は異なる。たとえば、今日はめちゃめちゃ古いプリンスの曲をたまたま聴いて、曲の新たな魅力が見えた気がするし。
―音楽が仕事でもあるので切り離すのが大変かもしれないですが、日常的に音楽は聴いていますか?
あぁ、全然聴くよ。でも、ダンス・ミュージックは聴かないかな。クラシック、レゲエ、ポップ、ロック、オルタナ、ほんと何でも聴くんだ。その時の気分次第だよ。僕、実はコールドプレイのファンでもあるから、彼らの曲をヘビロテすることもあるし。
―意外です(笑)。では、そんなアレッソが選ぶ“究極の夏の1曲”は?
「2 Million Ways (Axwell remix) 」。10年以上前にリリースされた、すごく古いダンス・トラックをアックスウェルがリミックスしたバージョンなんだ。今でも頻繁に聞いてて、夏はもちろんだけど、ダンス・ミュージックを作ろうと思うきっかけにもなった、僕にとって重要な曲なんだ。
Photo: (C)SUMMER SONIC All Rights Reserved.
◎リリース情報
『フォーエヴァー』
アレッソ
2015/05/27 RELEASE
2,376円(plus tax)
◎プレゼント情報
抽選で1名様に取材時に撮影したアレッソのサイン入りポラロイド写真をプレゼント
<応募方法>
※応募締め切りは、9月20日(火)正午となります。
<受付期間>
2016年9月7日(水)~9月20日(火)12:00