2016/08/23
劇映画『母 小林多喜二の母の物語』の製作発表記者会見が23日、東京都内で行われ、出演者の寺島しのぶ、塩谷瞬、渡辺いっけい、山口馬木也、水石亜飛夢と山田火砂子監督が出席した。
本作は、三浦綾子氏の『母』を原作に、おおらかな心で息子の多喜二(塩谷)の理想を見守り、人を信じ、愛し、懸命に生き抜いた母セキ(寺島)の波乱に富んだ一生を描く。
20代から87歳までを演じる寺島は「山田先生とお会いした時の映画に対する熱、この作品をなんとか皆さんに見せたいという熱を感じ、山田火砂子という人にほれてしまいました」と語り、「先生との出会いに感謝したいと思いますし、撮影中にもいろいろなことを吸収したいと思います」と意気込みを語った。
さらに「なかなかこれぐらいまっとうな母親の役ってやらせてもらえない。自分のイメ-ジなのか、一人寂しい女の人の役とか、影のある女の人の役とか、犯罪者とかが多い」と苦笑混じりに語り、「今の自分がやらなければいけない役だと(原作と台本を)一読して思いました。今、自分が3歳の子どもを育てる母親としてその部分も投影できたらいいのかなと思います」と使命感をのぞかせた。
自身の母親ぶりについは「怖いというかちっちゃい。自己嫌悪の毎日です」と振り返り、息子には「もちろん(歌舞伎の)おけいこもやっていますし、本人がやりたいと思えばやらせていただくことは可能なところにいますが、息子次第。自分で選択してやっていってほしい」と語った。
また「意外と3歳で自分の意見を言える子ども。そういうところはフランス人っぽいです。七夕には『魚屋さんになりたい』と書いていました」と明かした。
一方、塩谷は、演じる多喜二について語り始めると涙をこぼして言葉を詰まらせる場面も。改めて「実は僕は幼いころに母親がいなくて、役作りをする時に母というものを求めています。それが人生のテ-マでもある。多喜二が亡くなっても半世紀にわたってその人を愛し続けた母、その母に残り続ける一人の長男を演じるということに感情がこみ上げる」と思いを語った。
映画は2017年1月中旬に新宿K’s cinemaでロ-ドショ-。
(左から)水石亜飛夢、塩谷瞬、山田火砂子監督、寺島しのぶ、渡辺いっけい、山口馬木也
エンタメ OVO
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