2016/08/23
ビルボードライブに未来へ向かう爽やかな歌声とピアノのそよ風が吹いた真夏の夜。2016年8月10日、歌手デビュー30周年というプレミアムな年に、今井美樹が日本を代表するピアニスト倉田信雄との名タッグで3年ぶりにビルボードライブに帰ってきた。
開演時、会場から大きな拍手が起こる中、黒いドレスを身にまとった今井美樹と、倉田信雄が登場。今井がステージの中央に立つとすぐに倉田のピアノ演奏が始まり、会場にいる誰もが待ち望んでいたであろう名曲「PRIDE」からステージは幕を開けた。今井の透き通った歌声と倉田のピアノの音色という2つの心地よいサウンドに会場は一瞬にして包まれた。
「PRIDE」を歌い終わると、「今井美樹です。こんな暑い中、ライブに来てくれてありがとう。」とビルボードライブに集まったファンへの感謝の言葉を最初のMCで述べた。この日の最高気温は体温を上回るほどの暑さだった東京。そんな真夏の夜に集まってくれたファンのために、せめてライブ中は、涼しい爽やかな風を感じてほしいと語り、「AQUA」、「友達」、「汐風」の3曲を続けて披露した。「友達」では、倉田のピアノにコーラスも加わり、とても柔らかく気持ちの良いハーモニーが会場に響き渡った。
今だからこそ歌いたい曲と今井が紹介した「未来は何処?」は、争いのない平和な世界を望むという現代へのメッセージが込められていた。曲の最後にはスポットライトが2人を照らし、それぞれが未来への想いを心に思い浮かべたようだった。そして、明日への想いを歌った「PIECE OF MY WISH」も披露。高く手を伸ばし“明日のために”と力強く歌い上げた今井の姿はとても印象的だった。
ロンドンでの新生活の中で制作したというオリジナル・アルバム『Colour』からは、「あなたがおしえてくれた」と「Anniversary」を披露。「Anniversary」では曲が始まるとすぐに会場からは手拍子がおき、今井も身体を揺らしながら笑顔で観客席に向かい手を振りながら歌った。そのまま手拍子は続き、「中央フリーウェイ」へ。この曲でも絶妙な今井のリードと倉田のコーラスのハーモニーが会場全体を包み込んだ。
「中央フリーウェイ」を歌い終わると、今井は倉田との出会いによって、自身の音楽に対する考えが変わったことを明かした。倉田のピアノで演奏される曲はオリジナルとは異なった景色に連れて行ってくれて、音楽は変化しても良いものなのだと教えられたという。そんな2人が、最後の曲に選んだのは「Goodbye Yesterday」。明日そして未来へ向かう風を吹かせた今井と倉田のステージは、昨日から明日への勇気を与えてくれたように感じた。
アンコールの手拍子が鳴りやまない中、再び登場した今井美樹と倉田信雄。アンコール曲「潮騒」を披露し、最後の最後まで、どこか懐かしくも心地良い風を会場全体に贈り込んでくれた。今井は「ありがとうございました!」と各方面のオーディエンスに向かって深々とお辞儀をし、ファンへの感謝で幕を閉じた。
Photo: Masanori Naruse
◎公演情報
【今井美樹 with 倉田信雄 Billboard Live 2016】
ビルボードライブ東京
2016年8月8日(月)~10日(水)<終了>
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像