2016/08/01
先日、7月からTVアニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』の新EDテーマとなった新曲「ピノとアメリ」のシングル発売(8月24日発売)を発表した石崎ひゅーいが、アルバム『花瓶の花』を引っ提げて東名阪ツアー【石崎ひゅーいTOUR 2016「花瓶の花」】を敢行。7月28日 東京キネマ倶楽部にて、そのファイナルを迎えた。
自分のことをだらしのない、人の気持ちもわからない性格だと語る石崎ひゅーいは、誰かに支えられて生きているということを切に思っている。そんな彼は5年前のある日、気持ちが晴れない男性と出会い、なんと声をかけたらいいのか分からず「花瓶の花」を歌ったのだが、その人から“励みになった”と自身が思いもしなかった言葉を返され、この歌の力に気づかされた。その時、“もっと「花瓶の花」を届けなければならない”という使命を、彼は感じたのかもしれない。7月28日 東京キネマ倶楽部にて行われたライブでは、感情的にも、物理的にも観客の傍に寄り添おうとする彼が輝いて見えた。笑いも起こるが、涙がこぼれる、とても人間くさいステージだった。
<初のワンマン完売!! ひゅーいと男子学生が強く抱き合い叫んだ青春のアクト>
バンドメンバーに次いで、いつもの白シャツと黒スキニーで石崎ひゅーいが登場すると、気持ちの盛り上がる転調がクセになる「トラガリ」で幕を開けた。この日、彼自身ワンマンでは初となるソールドアウトを記録。その会場となった東京キネマ倶楽部のステージには、『Pokemon GO』上でピカチュウが見つかるらしく、「今日はピカチュウじゃなくて、僕の歌を捕まえてください」とユニークなMCを咬ませつつ、次々に楽曲を披露していく。どの楽曲にもシングアロングやクラップが起こる会場に、ひゅーいは全力かそれ以上の力を込めて歌い、観ているこちらも自然と力んでしまう。デビュー曲「第三惑星交響曲」に続いて新曲「ピノとアメリ」を披露する流れに時の経過を感じさせ、どこかメロウな雰囲気が漂うのだが、その後この日一番の奇想天外な展開に突入していった。
それは「ファンタジックレディオ」での出来事。ひゅーいが「僕と一緒に踊りたい人はいますか?」と募り、男子学生のミズヌマ君がステージに引き上げられた。そして、彼女募集中だという彼とひゅーいは手を取り合い社交ダンスを踊る。かと思えば、「ああぁぁー! 君のことが好きぃぃ!!」と叫ぶ。それも何度も。彼は“いったい誰に?”そしてひゅーいの本気さに笑いが起こり、さらに2人は崩れ落ちるくらい強く抱き合って「君のことが好きぃぃ!!!!」と続けるものだから、さっきまで観ていただけなのに力が入っていた体はほぐされ、晴れ晴れとした気分に移ろいでいった。爽やかな青春の1ページがよぎる、美しい光景だった。
<「花瓶の花」にまつわる興味深いエピソード……笑えて、泣ける“石崎ひゅーい”という存在>
イレギュラーな展開も石崎ひゅーいのライブステージの真髄。おかまいなしに楽曲を畳み掛ける。そしてライブも終盤に差し掛かり、「花瓶の花」にまつわるエピソードが語られたのだが、牛丼チェーン店でカレー牛を食べてたら「花瓶の花」が流れて泣いてしまった話や、駅のトイレで用を足してたら隣のおじさんから突然片方のイヤホンを挿入されると「花瓶の花」が流れていて泣いてしまった話と、これまた笑いで涙してしまうMCが披露された。けれどその後「花瓶の花」の持つ力に気づいたきっかけを語り、「みんなが歌ったほうがきっと大きな力になるから」と観客に歌ってもらうひゅーい。100点満点と感じたみんなの歌を受けとった彼は、そのお返しに「花瓶の花」を贈った。この曲で行き交う心の熱は増すばかりで、溢れるものがある。ひゅーい自身も歌唱後、微動だにせず余韻に浸っていた。そして「天国電話」で本ライブは、あの合唱が胸に残る中、静かに幕を閉じた。
このライブで披露された新曲「ピノとアメリ」のシングル初回生産限定盤には、5月にスペースシャワーTVで放送され反響を呼んだ番組『石崎ひゅーいが愛される理由 ~500日密着ドキュメント~』に入りきらなかったオフショットやライブ映像と、今年3月7日に開催された【石崎ひゅーいが誕生日に全曲歌うライブ@CHELSEA HOTEL】のライブ映像より2曲が収録されたDVDを付録。そして、9月3日 名古屋、9月4日 福岡、9月10日 兵庫、9月4日 東京の計4都市で開催されるインストア・ライブツアーの開催も発表された。
全力のパフォーマンスに、イレギュラーな展開と笑いも起こるが、どこか寄り添いやすく励まされる彼の存在。とにかく元気がほしい、そんなときには石崎ひゅーいのライブへ足を運んでみてはいかがだろうか。
取材&テキスト:古川泰佑
写真:上飯坂 一
◎【石崎ひゅーいTOUR2016「花瓶の花」】ファイナル公演
7月28日(木)東京キネマ倶楽部 セットリスト
01.トラガリ
02.メーデーメーデー
03.オタマジャクシ
04.僕だけの楽園
05.シンデレラへの伝言
06.夜間飛行
07.第三惑星交響曲
08.ピノとアメリ
09.カカオ
10.ファンタジックレディオ
11.シーベルト
12.泣き虫ハッチ
13.ピーナッツバター
14.僕がいるぞ!
15.星をつかまえて
16.花瓶の花
17.天国電話
◎シングル『ピノとアメリ』
2016/8/24 RELEASE
[初回生産限定盤(CD+DVD)] ESCL-4685~6 1,800円(税込)
[通常盤] ESCL-4687 1,200円(税込)
<『ピノとアメリ』リリース記念イベント>
9月3日(土)18:30~ 名古屋パルコ 西館1F イベントスペース
9月4日(日)18:30~ 福岡・ミュージックプラザインドウ店内 イベントスペース
9月10日(土)18:30~ 兵庫・阪急西宮ガーデンズ 4Fスカイガーデン・木の葉のステージ
9月11日(日)21:00~ タワーレコード新宿店7F店内 イベントスペース
※参加方法などは公式HPにて
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