2016/07/26
聴き手の心に寄り添い、涙を誘える歌手でありながら、女優としてホラー映画等でトラウマ級の狂気も演じ、アイドルとして見ても独自路線を突き進んでいる上野優華。7月24日 AKIBAカルチャーズ劇場にて【デビュー3周年記念イベント~進め!すだちっ娘!青春は君と共に!3年目~】を開催した。
<寄り添える歌をうたっていくことが、私が想い描く歌手の理想像>
最新シングル『恋日記 / Summer Mission』のインタビュー(http://bit.ly/2atm3NU)では、「誰かの気持ちを救える……って言うと大袈裟に聞こえるかもしれないけど、寄り添える歌をうたっていくことが、私が想い描く歌手の理想像なんですよ。だからそうなっていけたらいいなって思います」「みんなでライブの臨場感を楽しめる曲も大事だなと思っていて、だから今年の夏はこの曲(「Summer Mission」)でみんなのハートをバキュン! したいと思います」と語っていた彼女だが、同公演ではその両方を体現するアクトもしっかり展開。
<アイドル界のバラード女王と称される女の子の実態=NOT清純派?>
3周年を盛大にお祝いするべくアッパーチューンを畳み掛けた前半、「一緒に声を出して盛り上がってきましょう!」と一瞬でシンガロングや「優華!」コールを生み出し、前述したサマーチューンでは「バキュン!」と満員の観客を片っ端から狙い撃ちし、その度に「ドキュン!」とハートマーク付きでリアクションさせるという、半ばノスタルジックですらある王道アイドル然とした光景を生み出していく。少女マンガも「角でぶつかった相手が実は転校生だった」的なベタベタの王道展開を好むと云う、上野優華らしい展開で楽しませてくれた。
アイドル界のバラード女王と称されることも多い彼女だが、そのイメージと実際のキャラクターには大きなギャップがあり、大好きなアイドルと対バンする際には必ず相手の匂いをかぎ、勝手に大悶絶して引かれるぐらいにはぶっ飛んだ女の子。というのがファンからすればよく知る実態。前述のハートマーク付き「ドキュン!」もさも自然発生したように記してみたが、実際は「やらなきゃ歌わない!」とダダをこねて強制したものであったり、「可愛い!」と褒められても「知ってます!」と即答したり、それをスタッフが実は「ウザ過ぎる」と思っていたり、それを知りながら「やめないけど!」と言い放ったり……要するに清純派のイメージとは掛け離れている。
が、それがとっても面白い。ツッコミどころ満載のツンデレキャラではあるが、それが実にチャーミングでもあり、放っておけばいつまでも観客とコミュニケーションが取れてしまうこのフレンドリーさは、アーティストとして見ても、女優として見ても、アイドルとして見たとしても、なかなか誰にでもマネできるものではない。このめちゃくちゃなところもあるけれども他に類を見ない稀少な存在感は、ぜひとも一度ライブ現場に足を運んで体感してみてほしい。
<幾度となく涙誘うバラード 杏里「オリビアを聴きながら」カバーも>
また、上野優華の体感してほしい部分と言えば、やはり歌声である。どんなに笑いを誘いまくっても、想定外の言動で驚かせることがあったとしても、それ以上に彼女のライブを観て驚かされるのは、まだ18歳の女の子とは思えない、どんなアイドルイベントに出ても衝撃を与えるであろう、王道バラードをドラマティックかつエモーショナルに熱唱してみせるその姿。この日も最新シングルより「恋日記」なる遠距離恋愛の歌を届けてくれたが、歌詞を練り直してもらうほど自身が表現したい世界観へ構築した楽曲だけあって、冒頭のフレーズ「好きにならなかったら こんなつらい想いすることはなかったのでしょうか?」から彼女の歌声が胸に沁みる。
ライブ後半では、ちょっとだけ大人っぽい衣装に着替え、岩永知佳(key)と加藤文枝(cello)の生演奏でバラードの数々を立て続けにお届け。憂いのある美声を存分に味わえるブロックが設けられ、誰かの気持ちに寄り添える歌をうたっていきたい……その想いが見事に体現された歌声は、先までの傍若無人な女の子のものとは思えないほど切なく、優しく、胸が張り裂けんばかりに想いを溢れさせながら歌い上げていく姿は、幾度となく涙を誘う。無論、音楽シーン全体を見渡せば、彼女より声量も技術もセンスもハイレベルなシンガーはたくさんいるが、この聴けば聴くほど愛おしくなる声質と、とにかく大好きな歌を誰かに届けたい、溢れるほどの純粋無垢な想いは、聴き手を選ばず魅了する。
この日も杏里「オリビアを聴きながら」を生演奏で歌唱していたが、家族の影響で子供の頃からバラードを歌い続けて育った上野優華は、ダテじゃない。さらに、アンコールでは、初めて作詞作曲の両方を自ら手掛けた「やくそく」も披露していたが、より自分らしい歌を追及していく為になら何にだってチャレンジする。一言で言えば、逸材である。アイドルの匂いをかいでいるただの変な女の子と思わず、ぜひその生歌を一度聴きに来てみてほしい。
「いつか、ここにいるみんなと一緒に夢を掴めるように頑張りたいと思います。皆さん、よろしくお願いします!」「すだちっ娘(※上野優華ファンの総称)本当に大好き! 愛してるよ~!」
<2nd Music Letter初内 初ツアーでWHY@DOLL/callme/さんみゅ~と2マン>
なお、この日のトークコーナーでは、2nd Music Letterを10月3日にリリースすることを発表。Music Letterとは、新曲をダウンロードできるシリアルコード&生写真が封書にセットされた“音楽の手紙”で、上野優華独自の音楽メディアとなっている。また、初となるツアーの【上野優華 1st LIVE TOUR ~すだちっ娘には旅をさせろ!~】開催も発表され、10月2日 東京・恵比寿ガーデンルーム(ワンマン)を皮切りに、WHY@DOLL、callme、さんみゅ~とのツーマン、そして11月23日大阪・梅田Zeela(ワンマン)で最終公演を行うことが明らかになった。可愛くて面白くて涙も誘える奇跡みたいな女の子・上野優華を丸ごと体感できるこの機会、お見逃しなく。
取材&テキスト:平賀哲雄
◎ライブ【デビュー3周年記念イベント~進め!すだちっ娘!青春は君と共に!3年目~】
07月24日(日)AKIBAカルチャーズ劇場 セットリスト:
01.夢へのキズナ
02.旅立ちハイタッチ
03.Summer Mission
04.虹色シャボン玉
05.恋日記
06.すだちパッション
07.君といた空(生演奏)
08.星たちのモーメント(生演奏)
09.オリビアを聴きながら(生演奏)
10.シナモンティー(生演奏)
11.ありがとうを君へ(生演奏)
EN1.やくそく
◎2nd Music Letter『タイトル未定』
2016/10/03 RELEASE
1000円(税込)
◎ツアー【上野優華 1st LIVE TOUR ~すだちっ娘には旅をさせろ!~】
10月02日(日)東京・恵比寿ガーデンルーム(ワンマン)
11月06日(日)神奈川・横浜BAYSIS(ツーマン/昼夜2公演)ゲスト:WHY@DOLL
11月13日(日)千葉・千葉ANGA(ツーマン/昼夜2公演)ゲスト:callme
11月20日(日)埼玉・西川口HEARTS(ツーマン/昼夜2公演)ゲスト:さんみゅ~
11月23日(水・祝)大阪・梅田Zeela(ワンマン/TOUR FINAL)
※7/25(月)0:00~FC先行予約開始
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