2016/07/23
1960年代後半に日本のアングラ文化を創造し、今もなおサブカルチャーの先駆者として注目され続けている故・寺山修司。彼が1966年に遺した唯一の長編小説『あゝ、荒野』が、菅田将暉とヤン・イクチュンをW主演に迎え実写映画化される。
寺山がまるで未来を予測した様な本作は、社会に見捨てられ、もがきながらもボクサーとしての道を進んでいく二人の奇妙な友情と愛、そして絶望的なまでの切なさを描いた青春ドラマ。映画化にあたり、舞台は近未来・新宿に変わる。少年院あがりの新次に扮するのは菅田将暉。そして吃音と赤面対人恐怖症に悩む“バリカン”を、韓国映画『息もできない』で監督と主演を務め、世界各国の映画賞を総なめした名優ヤン・イクチュンが演じる。
メガホンを取ったのは、菅田将暉と二度目のタッグとなり、『二重生活』(16)でその演出手腕が高い評価を獲た岸善幸監督。音楽は『殺人の追憶』(03)『血と骨』(04)『レッド・クリフ』(08)などで国内外を問わず高い評価を得ている岩代太郎が担当する。
公開は2017年予定。
◎菅田将暉-コメント
ボクシングに挑戦する為、人生で初めて体を鍛えています。精神的な痛みを表現するよう作品は今までやってきたけれど、男ならではの闘争心や肉体的痛みを表現する作品は初めてなので、今世紀最大に疲弊して、今しかできない、脂っこい作品にしたいです。ヤン・イクチュンさんとは既に何回かお会いしました。映像の中では目が怖くて、暴力的で、冷たくて、鋭くて、かっこいい。目が離せない。実際にお会いしてみると、チャーミングで、優しくて、一緒に食事をした時は、ギャグを言っていたりして、その愛おしいギャップにやられました。監督もやられているので、映画への想いなどの話も聞かせていただき、熱量と、視野の広さを感じました。いい意味で、怖くて、楽しみ。岸監督は僕にとってのジュリエットです。『二重生活』でご一緒したのですが、ジュリエットに会うため、褒めてもらうため、頑張って、走り回ります。命がけでこの作品に臨みます。
◎ヤン・イクチュン-コメント
寺山修司、唯一の長編小説を原作にした『あゝ、荒野』への出演が決まったことを、本当に光栄に思います。この作品への参加を決めてから他の作品への出演を控えるようになりました。暫くは『あゝ、荒野』に集中したいと思ったからです。 今までの作品全てが大切で特別でしたし、芝居において悩ましい点はどの作品においてもありましたが、『あゝ、荒野』には、それ以上のプレッシャーを感じます。役作りをしている今、ボクシング、言語?壁、その他学ぶべきこと、やるべきことが山積みの中、緊張とやり通せるか不安を感じているのは事実です。しかし、それらこそ、この作品に参加する過程でしか味わえない、素晴らしい映画的、ドラマ的な要素の一つと感じています。菅田将暉さんとは、ボクシングのトレーニングでご一緒しましたが非常に勘がよく、なにより目がとてもイイと思いました。共演させて頂くのがとても楽しみです。素晴らしい作品に参加できることを感謝しながら、邁進していきます。
◎岸善幸監督-コメント
学生時代から触れてきた寺山修司作品を、しかも、ボクシング映画を撮ることは夢でした。キャストは、現在公開中の『二重生活』でご一緒した菅田将暉さん、そして大好きな韓国映画『息もできない』の監督・主演のヤン・イクチュンさん、二人を中心に演技派の役者たちが顔を揃えてくれました。是非とも楽しみにしていただきたいと思います。
◎映画『あゝ、荒野』
2017年全国ロードショー
原作:『あゝ、荒野』寺山修司 (角川文庫刊)
監督:岸 善幸
撮影:夏海光造
脚本:港岳彦
音楽:岩代太郎
出演:菅田将暉、ヤン・イクチュン 他
制作プロダクション:テレビマンユニオン
製作・配給:スターサンズ
(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
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