2016/05/24
驚異の“ハガレン”現象を巻き起こした今世紀最大級の傑作コミック『鋼の錬金術師』の実写映画化が、正式発表された。
錬金術が存在するファンタジーな世界観は、日本での映像化が不可能と言われ、ハリウッドでの映画化も噂された原作。しかし今回、『ハリー・ポッター』『るろうに剣心』『デスノート』シリーズを送り出したワーナー・ブラザース映画が、遂に実写映画化に挑む。撮影は6月、世界観の表現を追求してイタリアロケから開始、日本での撮影を経て8月下旬に撮影終了を予定している。さらにアクションやCG映像にも巨額の予算が投下されることから、壮大な物語にふさわしい日本映画の枠を超える破格スケールの映画誕生が期待できそうだ。
原作は、2001年にスクウェア・エニックス 月刊『少年ガンガン』で連載がスタートし、2010年に連載を終了した漫画家・荒川弘の代表作。連載中、TVアニメ、アニメ劇場版を契機に10~20代を中心に爆発的な人気を獲得し、全世界シリーズ累計部数7,000万部超という空前の記録を打ち立てた。少年誌での連載にもかかわらず、他コミック漫画にないオリジナリティ溢れる設定とビジュアルがうけ、男性ファンのみならず熱狂的な女性ファンをも獲得。深いメッセージ性は大人層の支持を得て、連載が終了した現在に至るまで、いまだ人気の熱が冷めないという、もはや日本漫画界を代表する伝説的な作品となった。
映画化決定を受けた荒川弘は、「色々なメディア展開をしてきた鋼の錬金術師ですが、なんと実写化! マンガでは豆粒ドチビのすぐキレる主人公なので、山田さんに演じていただくのは、なんだか申し訳ない気分です…!!(あ、ヒロインもすぐキレますね。すみません……)曽利監督はマンガ表現とリアル部分をつなぐCGを上手に使われる方なので、アニメやゲームとはまた違った表現を見せていただけそうで楽しみです!」と映画と出演キャストへの期待と絶大な信頼を寄せた。
同作は、幼き日に最愛の母親を亡くした兄・エドワードと弟・アルフォンスの波乱に満ちた冒険と成長のストーリー。幼い二人は母親を生き返らせるために“錬金術”の最大の禁忌(タブー)“人体錬成”を行い、失敗する。その代償としてエドワードは体の一部を、アルフォンスは体全てを失い、魂を鎧に定着させた体になってしまう。やがてエドワードは国家錬金術師となり“鋼”の二つ名を授かる。失ったすべてを取り戻すため、絶大な力を秘める“賢者の石”を探す兄弟の壮大な冒険の旅が、始まる――。
主役のエドワード役を演じるのは、大ヒット『暗殺教室』シリーズの山田涼介(Hey! Say! JUMP)。今回の出演に「僕自身も小さな頃から読んでいたのですが、現実離れした世界観でありながらもヒューマンドラマがちゃんと描かれている、そこに多くの人が心を惹きつけられているのだと思います。今回主演という立場を頂いた時は、原作が好きだからこそ、どんな作品になるのか疑問と想像が膨らみ、自分がこのプレッシャーに勝てるのか? という気持ちもありました。」と語り、イタリアロケから始まる大規模な撮影とアクションシーンが見所になる本作に挑むことに関しては、「(アクションについて)できる限りスタントは入れず、自分を追い込んでやってみたいと思っています。CGなどの技術の発達がある今この時代だからこそ、実現できる。原作ファンの方には勿論、原作を知らない方にも、この作品の凄さをスタッフ・キャスト一同で作り上げていけたらと、身体を鍛え、役への理解を深めることで、今は決意が固まりました。」と、今まさに新たな進化を遂げようとしている俳優・山田涼介の誕生を期待させるコメントを寄せた。
また、本作のヒロインで、エドたちの幼馴染で機械鎧(オートメイル)技師のウィンリィ・ロックベル役には、『アオハライド』『ターミナル』などでヒロインを見事に演じた本田翼。「連載当初から読んでいて、単行本も完全版も大切に持っている本当に大好きな作品」と原作の大ファンを公表している本田は本作の出演について、「プレッシャーが凄いです。原作ファン、そして私たちの世代にこそ観て欲しいし、観たいと思わせる作品にできたらと思っています。」と語り、また「海外での撮影は初めてなので、しっかり準備をして臨みたいと思います。」とも語った。
さらに、兄弟の良き理解者で、若き士官“焔の錬金術師”の名を持つロイ・マスタング役には、俳優だけでなく映画監督、アーティストと多彩な才能を発揮するディーン・フジオカ。原作でも人気の高い役とあって「人気のマスタング大佐を演じさせて頂くプレッシャーはありますが、原作ファンの皆様の大きなご期待を背負えるようにまずは身体をひとまわり大きく増量して、役作りに望みたいと思います。学生時代にはボクシング、俳優のキャリアを始めてからは中華武術やテコンドーを含め日常的に練習し、過去の仕事でもアクションを撮影してきたので、その経験が今回の新しいチャレンジに活かせるよう頑張ります。」と今の心境を語った。
ほかにも、マスタング大佐の親友ヒューズ中佐役に佐藤隆太、マスタングの側近ホークアイ中尉役に蓮佛美沙子、ロス少尉役に夏菜。本作で重要な役割を担う国家錬金術師のタッカ―役に大泉洋、ドクター・マルコ―役に國村隼、そしてハクロ将軍役に小日向文世が名を連ねる。
さらに、エドとアルの冒険に立ちはだかるホムンクルス(人造人間)役、謀略に長けた“色欲”のラスト役に松雪泰子。出演に際し、「世界中にファンがいる今作。演じさせて頂くキャラクターは原作ファンの方々の思い入れも強いキャラクターだとお聞きし、身の引き締まる思いです。曽利監督とも実写の映画では初めてですので、どんな作品作りになるか、楽しみにしております。」とコメントを添えた。“嫉妬”のエンヴィー役に本郷奏多、“暴食”のグラトニー役に内山信二、ホムンクルスと共謀するコーネロ教主役に石丸謙二郎と日本を代表する俳優たちが結集し、最強のドリームチームが“錬成”された格好だ。
また、本作で監督を務めるのは、2002年『ピンポン』を大ヒットに導き、新たな日本映画の1ページを作った曽利文彦。「『ピンポン』は企画段階から参加し、自らの想いが強く反映された作品ですが、今作はそれ以来となる、自らが立ち上げた作品であり、特別な思い入れがあります。『鋼の錬金術師』の世界観やテーマ性、そして“生きていくことの真実”を描いた、この素晴らしいストーリーを幅広い世代にご覧いただけるよう、チーム一丸となって全力で取り組んでいきたいです。」と映画化への情熱を語った。曽利はジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』でCGも手掛けた映像のスペシャリストでもあり、まさに“ハガレン”の錬金術を駆使したアクションシーンを映像化するために必要不可欠な技量を持つ監督である。
原作コミックは世界21か国で発売されており、全世界シリーズ累計部数は7,000万部超と、世界中からの人気も極めて高く、ハリウッドメジャーの本社をもつ配給のワーナー・ブラザース映画では、世界にも通用する原作の映画化とあって、国内に留まらないワールドワイドな展開を視野に入れていると言う。エグゼクティブ・プロデューサーのワーナー・ブラザース映画の濱名一哉は「『ハリー・ポッター』『るろうに剣心』シリーズのワーナー・ブラザース映画が、自信を持って贈る、日本発のワールド・クラスの巨大プロジェクトです。世界中をアッと驚かすような作品を目指していきたいです。」と語った。
邦画の常識をぶち破る究極のエンターテインメント『鋼の錬金術師』。今後の動向にも目が離せない。
◎映画『鋼の錬金術師』
2017年冬、全国ロードショー
監督:曽利文彦
原作:荒川弘『鋼の錬金術師』(『ガンガンコミックス』スクウェア・エニックス刊)
エグゼクティブ・プロデューサー:濱名一哉
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (c)2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
<STORY>
錬金術とは物質の構成や形状を変化させ新たなものに作り替える技術で、無から有を生む万能の術ではなく、「等価交換」を原則とする厳正科学である。
幼い頃、亡くなった母にもう一度会いたいという想いから “錬金術”において最大の禁忌とされる人体錬成を行った兄、エドワード・エルリックと弟、アルフォンス・エルリック。しかし、錬成は失敗。エドワードは左足を、アルフォンスは体全てを失ってしまう。エドワードは自身の右腕を代償にアルフォンスの魂を錬成して、鎧に定着させることに成功し、アルフォンスは一命を取り留める。
時が経ち、エドワードは自ら失った右腕と左脚に機械鎧(オートメール)を装着し、失った身体を取り戻す手掛かりを得るために国家錬金術師となり、“鋼”の錬金術師と呼ばれていた。そしてその手掛かりが“賢者の石”と呼ばれる伝説の石であることを確信する。
弟の体を取り戻すために命をかける兄と、彼を支える鎧姿の心優しい弟。亡き母の「人体錬成」の代償として失った全てを取り戻すため、不可能を可能にするほどの絶大な力を秘めると言われる“賢者の石”を探す二人の壮大な冒険の旅が今、始まる――やがて“賢者の石”を探す旅は国家をも揺るがす巨大な陰謀をめぐる熾烈な戦いへ変貌していく――
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