深田晃司監督作品、浅野忠信主演映画『淵に立つ』が、現地時間21日夜に行われた第69回カンヌ国際映画祭“ある視点部門”にて審査員賞を受賞した。
本作は、下町で金属加工業を営む夫婦(古舘寛治、筒井真理子)のもとに突然一人の男(浅野忠信)が現れ、一見平和だった家族に“異物”が混入することで夫婦それぞれが抱える秘密があぶり出されていく人間ドラマ。深田監督は初のカンヌ参加で、“ある視点部門”の作品18本の中から選出された。主演の浅野忠信は、昨年の第68回カンヌ国際映画祭の同部門で、日本人初の監督賞を受賞した映画『岸辺の旅』以来、2年連続でのカンヌ受賞作品参加となる。映画『淵に立つ』はフランスの製作陣と共同制作が行われた日仏合作作品となり、日本では今秋全国ロードショーされる。
◎深田晃司監督受賞後コメント
今回の映画は、スタッフ・俳優の総力で作った映画なので、私自身も含めてその力を認められた、ということが何よりもうれしいです。これで運を使い果たしたかなと思っています。カンヌで海外メディアの取材をたくさん受けたのですが、よく言われたのは、俳優の演技が素晴らしいということです。そして、この作品の家族の描き方がこれまでに描かれてきたものに比べると異質で、それが新鮮に映ったようです。日本は優秀な監督は私だけでなくたくさんいます。ただ彼らが海外を目指すための制度は、まだ不十分で未熟だと思います。日本はこれだけフランス映画が好きで、フランス人もこれだけ日本映画を愛してくれているのに、残念ながら両者の間には一緒に映画を作るための制度がありません。例えば韓国とフランスの間には結ばれているのに、なぜ日本は結べないのだろう…。新しい才能がより外へ出て行くための制度、自由に映画を作るための制度が日本には不足しています。今後の目標は、いま準備中の映画があるので、それに全力で向かいたいです。
◎浅野忠信コメント
我々は妥協なくこの映画に挑みました、そしてこんなに素晴らしいところにたどり着けました!
皆様のおかげです!!!
ありがとうございます!
最高です!
浅野忠信
◎映画『淵に立つ』
脚本・監督:深田晃司、出演:浅野忠信、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈、古舘寛治
今秋、有楽町スバル座ほか、イオンシネマをはじめ全国ロードショー