2016/05/20
チック・コリアと小曽根真による初のデュオ・ツアー東京公演が、5月19日にサントリーホールにて開催された。
二人の出会いは30年以上も前に遡る。1996年に初めて新日本フィルハーモニー交響楽団と共にモーツァルト「2台のピアノのための協奏曲」で共演。その後レコーディングを共にすることはあっても、2人だけでのリサイタルを行うことはなかった。そして今回は待望の初デュオ・コンサートとあって、サントリーホールには幅広い年齢層のファンが詰めかけた。
開演時刻の19時。今か今かと開演を待ちわびていると客席後方の扉から、チックと小曽根が登場。思いがけない登場の仕方に客席の緊張は一気に和らぎ、場内には拍手と歓喜の声が飛び交った。小曽根は「僕たちの演奏は事前に決めた通りに進まないので、これから何が起こるか、僕にも分かりません」と挨拶。小曽根が話し終えるや否や、待ちきれないとばかりにチックのピアノがスタートし、小曽根も慌てて演奏に応えた。終始、音楽で会話しコミュニケーションを取るということを体現したコンサート。もはや予測不能の演奏とあって、途中で楽譜をステージの床に置いてしまうというシーンも。ガーシュウィンの「Someone to watch over me」や、2人の合作「KOTOREA」(真の“コト”と、コリアの“リア”を繋げた造語)など、刺激的な演奏で観客を魅了し続けた。そしてアンコールではチック・コリアのピアノに合わせて、客席も歌で参加することに。客席とステージの距離が一気に縮まり、セロニアス・モンク「ブルーホーク」を会場内全員で歌い上げた。そして、アンコール2曲目ではチック・コリアの代表曲である「スペイン」を披露。一夜限りの「スペイン」の演奏が終わると、万雷の拍手とスタンディングオベーションで幕を閉じた。Photo by SHIMPEI TAKUMI
◎セットリスト:
インプロヴィゼーション
チック・コリア: チルドレン・ソング
ガーシュウィン: Someone to watch over me
チック・コリア: Spanish Song
小曽根真: スナップショット
バルトーク: 短いカノンと展開
チック・コリア: Mirror, Mirror
チック&小曽根: KOTOREA
チック・コリア: バド・パウエル
チック・コリア: 2台のピアノのためのファンタジー
アンコール:
セロニアス・モンク: ブルーホーク
チック・コリア: スペイン
◎公演情報【チック・コリア&小曽根真 ピアノデュオ プレイズ・アコースティック】
5月7日(土)14:00 よこすか芸術劇場
5月8日(日)16:00 みやまコンセール
5月10日(火)18:30 盛岡市民文化ホール
5月14日(土)18:00 / 15日(日)15:00 NHKホール ※NHK交響楽団定期演奏会
5月18日(水)19:00 長野市芸術館
5月19日(木)19:00 サントリーホール
5月21日(土)15:00 三原市芸術文化センター ポポロ
5月22日(日)15:00 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
5月25日(水)19:00 松本市音楽文化ホール
5月26日(木)19:00 滋賀・守山市民ホール
5月27日(金)19:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
5月29日(日)15:00 アクロス福岡 シンフォニーホール
5月31日(火)19:00 高岡文化ホール 【 チック・コリア ソロ公演 】
◎リリース情報『CHICK&MAKOTO-Duets-』
2016/4/20 RELEASE
UCCJ-2136 2,700円(tax in)
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