2016/05/08
福岡の“ギター侍”こと戸渡陽太のメジャーデビュー決定後初のワンマンライブが、4月12日渋谷7th Floorにて行われた。
2014年ロッキング・オン主催のコンテスト【RO69JACK】にて入賞し、同年11月には自身初の全国流通盤を発売。その後地元の福岡を拠点に活動を続けてきた戸渡は、2016年6月15日に東京スカパラダイスオーケストラ主宰のレーベル、JUSTA RECORDよりメジャーデビューが決定している。
この日のライブは、ドラム・誇太朗との二人編成。戸渡は、客席をくぐり抜けてからステージに上がると、ピアノに腰を掛け6月の最新アルバムに収録されている「Beautiful Day」を演奏した。軽快なリズムでライブの幕を開け、「SOS」「ギシンアンキ」ではギターに持ち替え激しいカッティングを見せつける。戸渡は、上京からメジャーデビューまでの期間に、数々の名立たるミュージシャンと音楽修行を積み重ねており、その成果もあってか、戸渡の堂々たるステージングに観客は序盤から息つくタイミングさえ失う程に圧倒された。MCでは、メジャーデビューの報告と共にファンへの感謝の言葉をしきりに口にする戸渡。話すときの謙虚な姿勢と、攻撃的なほど楽器をかき鳴らすそのギャップがさらにファンの心を掴んでいるのだろう。
高校生で初めて作詞作曲を手掛けたという「すべては風の中に」については、面白くない学生生活の中で憂鬱さ、理不尽さや不甲斐なさをそのままぶつけた曲だと語り、自身の原点ともいえる曲を披露。その後「木と森」「さよならサッドネス」「Sydney」と続き、手数の多いドラムが畳み掛けられると、それに戸渡がギターと歌で応戦しているような掛け合いで会場の盛り上がりは最高潮に達した。
ラストはピアノの弾き語りで「世界はときどき美しい」を披露。<Life is Beautiful>という歌詞とも共鳴するような歌声がまっすぐ届いてくると思わず涙がこみあげてきた。切なさに溢れた演奏でステージを後にすると、アンコールでは再びギターを持ち登場。阿部芙蓉美が楽曲を書き下ろした「グッデイ」でこの日のライブを締めくくった。
戸渡の演奏について特筆すべきは、音色のジャンルや歌い方の幅広さともいえるだろう。ラテン調からレゲエ調の曲に至るバリエーションの多さに終始驚かされっぱなしで、6月のデビュー後も彼の感情や演奏がさらに豊かなものになっていくことを確信できたライブでもあった。
戸渡陽太のメジャーデビューアルバム『I wanna be 戸渡陽太』は、6月15日にリリース。さらに、ゲストミュージシャンと1対1でセッションを行う自主企画ライブ【戸渡陽太10番勝負Vol.7】が6月18日に開催される。ぜひ会場に足を運び、その目に戸渡陽太を焼き付けてもらいたい。
Photo:古賀恒雄 Tsuneo Koga
Text:神人 未稀
◎リリース情報 『I wanna be 戸渡陽太』
2016/06/15 RELEASE
【CD】CTCR-14910 2,800円(plus tax)
【CD+DVD】CTCR-14911/B 3,300円(plus tax)
◎イベント情報【戸渡陽太10番勝負Vol.7】
2016年6月18日(土)
@渋谷STAR LOUNGE
OPEN 18:30 / START 19:00
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