2016/02/17
次世代を担うラッパー、フューチャーの新作『EVOL』が首位デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
昨年7月にリリースした『DS2』から、1年経たずしてリリースされた、フューチャーの4thアルバム『EVOL』。初動枚数は13万枚を突破し、前作に続く自身2作目の首位獲得、ドレイクとのコラボ・アルバム『(ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』(2015年)を含めると、通算3枚目のNo.1アルバムとなる。
驚くのは、本作からプロモーションとしてリリースされた先行シングルが、1曲もないということ。また、アルバムにクレジットされているゲストも、「キャント・フィール・マイ・フェイス」などのNo.1ヒットを放った、ザ・ウィークエンドのみで、トラックもほぼ、自身が全曲を担当し、独走状態でのリリースだったということだ。大掛かりなプロモーションをしたわけでもないのに、週間セールスが10万枚を突破するということは、フューチャーの人気を物語った証拠だ。
2位に再びアップしたアデルの3rdアルバム『25』は、今週も12万枚の週間セールスを獲得し、全米でのセールスが800万枚を突破した。また、2月16日(海外時間15日)に開催された【第58回グラミー賞】での見事なパフォーマンスを受け、次週以降はさらに売上を伸ばすことが予想される。夏を迎えるまでに、ダイヤモンド・アルバム(1000万枚)に到達することも、期待できるだろう。
一方、新たな試みで新作を発表した、リアーナの『アンチ』は、先週の首位から3位にダウン、今週の週間セールスは10万枚に届かなかった。また、【第58回グラミー賞】でのパフォーマンスを予定していたリアーナだが、体調不慮により急遽ステージのキャンセルが発表され、会場を途中で後にした。パフォーマンスが行えなかったことで、アルバムへのセールスにも大きく影響を及ぼすだろう。
<年間最優秀アルバム>を受賞したテイラー・スウィフトの『1989』は、今週の位から、次週は一気にTOP3入りする展開も期待できる。また、R&B2部門で受賞した、ザ・ウィークエンドの『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス』や、ラップ部門など5部門で受賞した、ケンドリック・ラマーの『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』も、返り咲きのTOP10入りが濃厚。【グラミー賞】効果が、次週以降しばらく続くことが予想される。
先週の16位から4位に浮上したコールドプレイの『ア・ヘッド・フル・オブ・ドリームズ』は、ビヨンセ、ブルーノ・マーズと共に、スーパーボウルのハーフ・タイム・ショーでパフォーマンスを披露したことで、売上を伸ばし返り咲きのTOP10入りとなった。そのビヨンセは、すでに完成しているとも囁かれている新作から、先行シングル「フォーメーション」を同ハーフ・タイム・ショーで披露し、2月6日にはビデオも公開されたことで、次週のシングル・チャートで上位デビューが予想される。
6位には、ウィズ・カリファの6枚目の新作『カリファ』が初登場。ゲストには、人気ラッパー、トラヴィス・スコットやジューシー・J、リコ・ラブ等が参加していて、昨年の年間チャート3位をマークした、大ヒット曲「シー・ユー・アゲイン」とは対照的な、ポップ・シーンを退いたかのような本格志向のヒップホップ・トラックが揃っている。尚、「シー・ユー・アゲイン」は本作に収録されていない。
7位には、人気コンピ盤『ナウ』シリーズの57作目がデビュー。今作には、ジャスティン・ビーバーの「ソーリー」や、ザ・ウィークエンドの「ザ・ヒルズ」といったNo.1ソングから、アリアナ・グランデの「フォーカス」、セレーナ・ゴメスの「セイム・オールド・ラヴ」、アレッシア・カラの「ヒア」など、最新のTOP10ヒットが網羅されている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、17日22時以降となります。
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