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2016/02/08 18:25

ピアニスト反田恭平、満員のサントリーでリサイタルデビュー 2016年夏に3日間連続リサイタル開催

 20歳にして熱狂を巻き起こしている若きピアニスト反田恭平。1月23日に東京・サントリーホールでデビューリサイタルを開催し、満員の会場をホロヴィッツが愛したニューヨークスタインウェイの音で満たした。

 プログラムはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタより、シャコンヌのブゾーニ版からスタート。オリジナルの響きから大きく豊かに、ピアノという楽器を最大限に活かしきった重厚で大きな波を作り出したそのアレンジに、反田の歌が聞こえてくるようなオープニング。モーツァルトのピアノソナタ3番では優雅に愛らしく軽やかに、バラキレフ「イスラメイ」ではその超絶技巧にため息をつかせ、期待が高まったり、リスト・プログラムとなる後半へ。

 後半はリストの超絶技巧練習曲より第8番「狩り」から始まり、去年発売したデビューアルバム『リスト』にも録音されている「スペイン狂詩曲」「コンソレーション(慰め)第3番」が披露され、最後にメフィスト・ワルツ1番が奏された。この日のプログラムはファンクラブのアンケートを参考にしたと発表されており、反田の繰り出すエネルギッシュで華やかな超絶技巧ピアニズムがリサイタルを通して堪能したい、というファンからのメッセージに反田が呼応するようなプログラムとなっていたように感じられた。

 アンコールに応えて演奏されたのはシューマン/リストの「献呈」。よくアンコールに登場しており、その輝かしく澄んだ景色と全てを光輝かせるかのような愛を歌うこの曲は会場の空気を優しいものに変え、そして最後にCDにも収録されているビゼー=ホロヴィッツの「カルメン幻想曲」が情熱的に奏されて幕となった。

 3月にはオーケストラやウィンド・オケとの共演が予定されており、次回リサイタルは2016年8月30日、31日、9月1日と三日間連続で、東京・浜離宮朝日ホールにて開催の予定。豪快にして繊細、歌心に溢れた若きピアニストの演奏の活躍を今後も追いかけていきたい。text by yokano

◎公演情報『反田恭平デビュー・リサイタル』
日時:1月23日(土)19:00開演
会場:サントリーホール大ホール 

◎リリース情報
反田恭平『リスト』
2015/7/22 RELEASE
SACD Hybrid COGQ-78 ¥3,000 (plus tax)
ピアノ:ニューヨーク・スタインウェイ CD75
録音:2015年1月14 -16日、千葉県南総文化ホール

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