2016/01/30 12:00
一昔前に比べると、ラジオが売上に貢献することは少なくなったといわれている。それでも、新しい発見の多いメディアであることには間違いないし、まだまだヒットを作るポテンシャルはあるはずだ。ビルボードチャートでは、ラジオのオンエア回数も加算ポイントになっているので、今回はその部分に注目してみよう。
まずは、Hot100で16位にランクインしたNakamuraEmiの「YAMABIKO」(【表1】)。1/20にリリースされたばかりのメジャー・デビュー・アルバム『NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST』からのリードトラックだ。こちらは多数のラジオ局でパワープレイを獲得しており、その結果今週のラジオ・オンエア回数では1位を獲得した(緑のグラフ)。逆に言えば、売上やツイッター指数などはまだこれからというところなので、この勢いをどこまで持続できるかは、楽曲やアーティストのパワー次第だろう。今後に期待したいところだ。
そして、Hot100の21位に上昇したスガ シカオの「真夜中の虹」(【表2】)。この曲も1/20にリリースされた6年ぶりのアルバム『THE LAST』から、先行配信された楽曲だ。前評判も高い本作のリードトラックということもあり、ラジオのオンエア回数も2位と急上昇(緑のグラフ)。もともとスガは、ラジオによってブレイクしたこともあり、多数シンパがいることの結果でもあるのだろう。それ以外の指数はそれほど高くはないが、その分アルバムに帰結していると考えていい。なお、『THE LAST』はHot Albumsでは初登場6位を記録している。話題性の高い本作は、ラジオの後押しでさらにセールスを伸ばすことだろう。
ちなみに、NakamuraEmiは、山崎まさよしや秦基博らが所属するオフィスオーガスタの肝入りの新人。スガも、もともとはオフィスオーガスタに在籍していた。このことからも、ラジオを大切にし、楽曲でしっかりと勝負するマネージメントであることがわかるというのも、非常に面白い。text by 栗本斉
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