2016/01/25
コンテンポラリーダンサー、振付家として活躍する平山素子の企画公演「Hybrid-Rhythm & Dance」では、音楽にスペイン・バスク地方の伝統打楽器チャラパルタとアイヌ伝承歌を迎えて作り出す、まったく新しい舞台となる。
2008年「春の祭典」でストラヴィンスキーに初挑戦し、13年「フランス印象派ダンス Trip Triptych」ではラヴェル、ドビュッシー、サティという3人の作曲家の音楽を用いた舞台を作り出した平山素子による、音楽シリーズの第3弾。今回はスペイン・バスク地方の伝統打楽器であるチャラパルタとアイヌの伝承音楽とのセッションにより、『ダンスとリズム』という身体の持つ根源に迫る。
スペイン・バスクの伝統打楽器であるチャラパルタとは何か、知る人は少ない。森から切り出される「ただの木材そのもの」並べられた木材を、必ず2人1組となって演奏する。それぞれが長さ約10インチ、直径約1.5インチの木撥を持ち、一方の奏者が2本の木撥で基本的なリズムを奏で、もう一方の奏者は相方のリズムの合間に叩いて音を出すという演奏スタイル。来日するグループ「オレカTX」の活動を折った映画『遊牧のチャラパルタ』は国際的に高い評価を受け、14ヶ国の国際映画祭で受賞を果たしている。
アイヌの伝承音楽「ウポポ」とは、「歌」を意味する。「座り歌」と訳されることもある。一種の輪唱の形式をしたもので、成句一つだけで歌われていることが多い。仕事歌、舟漕ぎ歌、踊りながら歌う歌、輪唱歌などがあるが、いずれにしろ即興性が高いのかが特徴だという。今回の舞台には阿寒や祖母から伝承されてきたウポポ(歌)を中心に、各地で歌を通した文化活動を行う床絵美が登場する。
先鋭のダンサーたちの身体とスペイン・バスク地方の伝統打楽器「チャラパルタ」、そしてアイヌの伝承音楽の音とリズムが強烈に絡み合い、新たなるハイブリッドな世界が誕生する瞬間を見逃さないようにしたい。text by yokano
◎公演概要
平山素子【Hybrid -Rhythm & Dance】
2016年3月25日(金)~27日(日)3回公演
新国立劇場 中劇場
more info:http://goo.gl/3gdRcm
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