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2016/01/06

Album Review: 先達への愛情溢れる“グッド・ミュージック”にノックアウト!実力派新人チャーリー・プースのデビュー作『ナイン・トラック・マインド』

 2015年に『ワイルド・スピード スカイ・ミッション』の主題歌としてリリースされた、ウィズ・カリファの「シー・ユー・アゲイン」に、フィーチャリング・アーティストとしてフックを担当した、チャーリー・プース。同曲は強豪をおさえ、12週のNo.1をマークし、2015年間チャートで3位にランクインする大ヒットに至ったのも記憶に新しいが、その「シー・ユー・アゲイン」含む、チャーリー・プースのデビュー・アルバム『ナイン・トラック・マインド』が、1月29日にリリースされる。

 先行シングルとしてリリースされた、オールディーズ・テイストの「マーヴィン・ゲイ」や、「ワン・コール・アウェイ」をはじめ、本作には60年代や70年代の、古き良きロックやソウルミュージックが散りばめられていて、いかに音楽熱心な青年であるかが伺える。制作は、全曲自身が担当し、ジャスティン・ビーバーやジェイソン・デルーロといった、今をトキメくアーティストを手掛ける、ジャスティン・フランクスや、リアーナやワン・ダイレクションの最新ナンバーを制作した、モーリーン・マクドナルド等が参加している。

 ゲストには、「マーヴィン・ゲイ」でパートナーを務めたメーガン・トレイナーや、そのメーガンと「ミスター・オールモスト」でデュエットしたシャイ・カーター、「セイム・オールド・ラブ」が大ヒット中のセレーナ・ゴメスがクレジットされている。新人ながらも彼らの歌唱力は折り紙付きで、チャーリーとタメを張れるほど、歌にパワーがあり、柔軟性を持ち合わせたメンバー達が、本作をさらに色付けてくれている。

 近年、ブルーノ・マーズやファレル・ウィリアムスといった、70年代ソウル&ファンクをリメイクしたアーティストが大ブレイクしているが、チャーリーもその波に乗りつつ、「先達への愛情を込めて僕なりにやってみよう」という礼儀正しい姿勢で、生音を取り入れたり、ソウルっぽい熱を歌に帯びさせたりしている。ポップやロック、ソウルにファンクと、ジャンルの垣根を超えて、老若男女が純粋に“イイ音楽”と楽しめる傑作だ。

 日本時間2月16日に開催される【第58回グラミー賞授賞式】では、「最優秀楽曲賞」、「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」、「最優秀楽曲賞映画・テレビ・その他映像部門」の3部門にノミネートされているチャーリー・プース。おそらく、グラミー開催後も本作は再燃し、多くのファンを魅了することは間違いないだろう。米ニュージャージー出身、23歳。2016年は本作のリリースと共に、チャーリー・プースが更なる飛躍に向けて挑戦する。

Text: 本家 一成

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