2015/12/07
音楽活動休止中のナカヤマユキコ(ex.BiS/モルヒネ東京)。自身の誕生日である11月11日 モルヒネ東京が解散した事をツイッターで公にしたが、現在、水面下で新バンドプロジェクトの準備に入っていることを明らかにした。
<療養休暇、モルヒネ東京解散、今後の活動について語る>
ナカヤマユキコ(通称ユケ)は、2015年4月、自身の体調不良を理由にモルヒネ東京はもちろん、あらゆる音楽/芸能活動を休止。しばらく病院や実家で療養していたが、徐々に体調と音楽活動に対するモチベーションが復活していく中で、モルヒネ東京の解散、そして次なるバンドプロジェクトの準備へと動き出していた。彼女は何ゆえに療養を必要とし、BiS脱退後の居場所として大事にしてきたバンドを解散し、新天地を求める事になったのか。そして、その新バンドプロジェクトは一体どんなものなのか。自分の言葉で語ってくれた。
◎ナカヤマユキコ(ex.BiS/モルヒネ東京)インタビュー
<「どうする?」「もう解散しかないよね」「だよね」>
--モルヒネ東京解散。誕生日に「勢いで言います」みたいな感じでツイートしていましたけど、何故にあのような形での発表になったんでしょう?
ナカヤマ:本当に勢いだけでツイートしました。あと、表に立ってないから言うタイミングがなくて。解散ライブが出来る感じでもなかったんで、ツイッターでさらりとしか言えなかったんです。
--ナカヤマユキコ自身が療養休暇に入るタイミングで、解散は考えていたの?
ナカヤマ:考えてなかったです。あのときは本当に余裕がなかったので。ただ、私がダメになってしまったことによって、メンバーのモチベーションが一気に下がってしまったんですよ。その時点で解散は決まっていたのかなって。
--解散を決断したのはユケ?
ナカヤマ:言い出したのは私ですけど、もう意思確認って感じでしたね。集まって「どうする?」「もう解散しかないよね」「だよね」っていう。で、解散ライブに関しても「もうそこに向かっていくモチベーションすらない」っていう感じだったので、そんな状態で無理矢理やってもお客さんに失礼だし、だったらこのまま終わろうと。
--モルヒネ東京って結局どれぐらい活動したんでしょう?
ナカヤマ:3年ですね。4年目に入るってときに私はもう入院していたので。
--終わり方が終わり方なんで綺麗に昇華できてないとは思うんですけど、モルヒネ東京ってユケにとって何だったんですかね?
ナカヤマ:モルヒネ東京は……そうですねぇ~……何だったんだろう? …………私のやりたいこと。それを全部形にしたらああなった。BiSで我慢していたものもモルヒネ東京になったら出来たんで、その点では楽しかったんですけど、上手くはいかなかった。だから勉強になりましたね。好きなことばっかりやってたら上手くはいかない。
<しばらくは「死にたい」しか考えてなかったです>
--もうユケってどれぐらい休んでるの?
ナカヤマ:気付けば半年以上ですね。4月に休むことを発表したんで、もう7か月か。
--7か月前、休むことを決断したのは?
ナカヤマ:その頃の記憶がないんですよね。本当にダメになってました。ただ、周りの判断が「休め」でした。気が付いたら私はもう終わってましたね。真っ白な部屋にいました(笑)。都立病院の精神病棟の個室です。でもそこに入ったときは「やっと静かにできる」と思って。「今だけは何もかも捨てていいんだ」って変な安心感がありました。最初は入院を拒んでいたんですけどね、閉じ込められたくなくて。それでずっと実家に篭ってたんですけど、もうダメでダメで仕方なかったので入院することに。
--そこから今に至るまではどんな気持ちの変遷を辿ってきたんでしょう?
ナカヤマ:しばらくは「死にたい」しか考えてなかったです。ただ、入院中の治療が本当にツラかったんで、「ここから出たい」って気持ちだけで元気になりました。退院した後も1か月ぐらいは家に篭ってたんですけど……その間にモルヒネ東京が解散する事は薄々分かってて、みんなで集まったときに解散を実感したんですけど、ギターのセニョールだけが「今は聴けないかもしれないけど、曲作ったから聴いてみて」って15曲ぐらい送ってきたんです。彼はそれぐらい熱い奴なんです、セニョールって名前だけに!
--ユケが勝手に付けた名前ですよね(笑)?
ナカヤマ:ハハハハ! でもすげぇ熱いおっさんなんですよ! で、解散決めた後にセニョールだけ私に「悔しくない? まだ歌いたいでしょ? やろうよ!」って言ってきて。そこからちょっと復活してきました。やっと生きる目標が出来てきたなって。「じゃあ、またボイトレに通い始めなきゃいけないな」「薬はやめなきゃいけないな」ってやるべきことが増えてきて、「久々に音楽聴こうかな」とも思えてきた。
<セカオワによって邪魔なプライドが折れました>
--入院中は全く音楽には触れてなかったの?
ナカヤマ:セカオワ(SEKAI NO OWARI)は聴いてました。入院中にお兄ちゃんがその時期に出たセカオワのアルバムとインタビューが載ってる本を持ってきてくれたので、テレビもない、ケータイもない、何をしていいか分からなかった部屋でセカオワを聴いて、セカオワの本を読んでたんです。で、深瀬慧(vo)さんも病院生活をしていて「何もない、世界の終わり」っていうところから今の成功劇がある。「なんか私も出来るかもしんねぇ!」って気持ちになってきて(笑)! 私、どうしてモルヒネ東京を手放せずにいたかと言うと、何も無くなってしまうのが怖かったんですよ。だけど、実際に「何も無いところから始めてみよう」と思って成功した人を見たら、「何も持たないって逆にアリなんじゃね? 1回全部捨ててやり直すのもアリかも」って前向きになれたところはあって。セカオワによって邪魔なプライドがポン! って折れました。折れてよかった。
<私がコピーしていた人とバンドをやる日が来るとは!>
--この先はどうするつもりなんですか?
ナカヤマ:新しいバンドを組もうと思って、セニョールと2人でメンバーを探すことにしたんですけど、現時点で言えるのは、サポートメンバーとしてELLEGARDENの高田雄一さんが入ってくれることになりました。めっちゃ激アツい話ですよ! 私、BiS入る前にもバンドやってたんですけど、ずっとエルレのコピバンやってたんですよ。だから「はわ~!!」みたいな感じで、まさか私がコピーしていた人とバンドをやる日が来るとは! テンションぶち上がりです! これ、見出しに使ってください。
--なんで参加してくれることになったんですか?
ナカヤマ:元々セニョールと知り合いだったんですよ。で、高田さんはセニョールがウチに入る前からモルヒネ東京を知っててくれたみたいで。高田さん、ブログやってるんですけど、以前、タイトル「モルヒネ東京」で、内容は全くモルヒネ東京に触れてないブログを書いたりしてて(笑)。で、セニョールが高田さんに相談したときに「じゃあ、俺やるよ」って言ってくれて。ただ、他のバンドもやってるんで、サポートという形ではあるんですけど、こんなに有り難い話はないなと思ってます。
--では、現時点で、ボーカル、ギター、ベースは揃ってるんだ。
ナカヤマ:あとは曲のアレンジをしてくれる人とかキーボードとかいろいろ決まってはいるんですけど、これは正式発表まで取っておこうかなと。多分みんながビックリする人です。
--いつから本格始動することになりそうなの?
ナカヤマ:実際にみんなの前に立てるのは来年になると思うんですけど、せっかくだから焦らず作って完成度の高いものを届けて、今度こそみんなのことをガッカリさせないものにしたい。モルヒネ東京のときよりもみんなにワクワク感を与えたいなって思ってます。ここから本番。本当に楽しみにしててください!
取材(テキスト&撮影):平賀哲雄
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