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2015/10/28

東京交響楽団の首席奏者によるユニット“清水西谷”が結成、たった2人で生み出したオーケストラのハーモニー

 東京交響楽団で首席奏者を務めるヴァイオリンの清水泰明とチェロの西谷牧人によるユニット“清水西谷”がデビューアルバムのリリース記念ライブを11月24日にヤマハホールで開催する。

 デビューアルバム『KODO』は全て清水と西谷によるオリジナル作品で、演奏も全て2人だけで行い録音を重ねあわせて作られた。1つのパートも、あえて何度も演奏したものを重ねており、その理由について、清水は「普段アルバムを作る場合は、バックバンドの方をお願いしたりしますよね。でも今回は2人だけで作りたかったんです。その上で、オーケストラのような厚みも作りたかったので多重録音という方法にしました」と語った。

 録音に際して2人がまず行ったのは、オーケストラをイメージし、それぞれの奏者の年齢、性別、キャラクターを作り上げること。そして、“おとなしい女性”や、“積極的な男性”などのように、設定したキャラクターになりきって、同じ旋律を何度も録音した。西谷は「コピーロボットのように、全員が同じように演奏すると、音というのは1つに聴こえてしまいます。それはオーケストラにとっては、良くないこと」と述べ、清水も「キャラクターが違う人が演奏するからこそ少しずつズレが生じ、その微妙なズレから独特の厚みと美しい音が生まれるんです。とても時間と根気のいる作業でしたが、誰もやっていないことに挑戦したいと思いました」と続けた。

 2人の出会いは東京交響楽団。西谷は5歳からチェロを習い始め、高校時代はロックに傾倒し、エレキギターを担いで通学しながら、家ではチェロを練習するという日々を過ごした。そして東京芸術大学および東京芸術大学大学院を修了し、31歳の時に東京交響楽団に入団した。一方、清水がヴァイオリンを勉強し始めたのは高校生になってからのこと。国際コンクールに出場する同級生の横で、小学生と同じ曲を弾くのが精一杯だったが練習を重ねて無事、国立音楽大学に入学し首席で卒業した。そして22歳から東京交響楽団に在籍しつつ、作曲家、アレンジャーとして小柳ゆきなど幅広いジャンルのアーティストに楽曲を提供している。

 今後の活動について、西谷は「新しいことにチャレンジしたいという気持ちはありますが、クラシック音楽を奇抜に演奏するのは、なんか違うんじゃないかと思っていて」と言い、「今まで受け継がれてきたクラシック作品は伝統を守って演奏し、新しいことへのチャレンジはゼロから生み出したいと思いました。その第一歩が、このアルバムです」と続けた。そして、同感だという清水は「僕たちにとって、音楽にジャンルはありません。でも、一般的にはクラシックとポップスには大きな壁があります。どちらも手を抜かず、ちょうど真ん中あたりで活動していければ」と述べた。11月24日の公演は6名のストリングスと、特別ゲストに手嶌葵を迎えて開催される。

◎リリース情報『KODO』
2015/11/11 RELEASE
CVOV-10027 2,000円(tax in)

◎公演情報
【清水西谷デビューコンサート】
日時:11月24日(火)18:30開場 19:00開演
会場:銀座ヤマハホール
出演:清水泰明(ヴァイオリン)、西谷牧人(チェロ)、朝岡さやか(ピアノ)、KODO STRINGS(福留史鉱、加藤まな、生野正樹、大宮理人、田邉和弘、川口伸王)
特別ゲスト:手嶌葵
料金:5,000円
チケットぴあ(Pコード:273-547)、ローソンチケット(Lコード:38054)、イープラス、CNプレイガイド、キャピタルヴィレッジ
問い合わせ:キャピタルヴィレッジ TEL:03-3478-9999

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